望遠ズームレンズを導入しました。
普段から単焦点レンズを好んで使っていますが、秋から冬季にかけての風景撮影では、どうしても300mm相当の望遠域でズームしたい場面があるのですよね。
(以前、smc PENTAX-F 80-200mm F4.7-5.6を持っていた)
望遠レンズに関してはマイクロフォーサーズ規格のフラグシップ機も視野に入れておりましたが、最終的には普及価格帯のXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを導入しました。
この記事では、
- なぜ、XF90mmを持っているのにXF55-200mmを導入したのか?
- どんなことを考えて導入に至ったのか?
について、相応の情報収集と検証を通じた思考から購入に至るまでのお話を書いています。
もくじ
望遠レンズを選ぶ際に設けた基準
一口に望遠レンズと言っても色々ありますよね。
- 暗くてもいいのか
- 明るいのが欲しいのか
など。
そこで自分なりに基準を設けました。
- 300mm相当までの望遠域をカバーできること
- 遠景撮影における描写力がいいこと
- 防塵防滴であること
- 総重量は1kg程度まで
- 価格は出しても15万まで(できれば10万程度まで)
上記の条件を当てはめると自ずと選択肢が上がってきました。
防塵防滴に拘ると選択肢は2つしかない
手元にある機材(Xマウント機とマイクロフォーサーズ機)を基準に考えた場合、300mm相当までカバーしている防塵防滴のレンズはフラグシップモデルになります。
そのため、私の基準で2つの選択しかありませんでした。
- マイクロフォーサーズ規格で望遠システムを組む
- XF50-140mmとテレコン1.4Xでシステムを組む
マイクロフォーサーズ規格で望遠システムを組む
我が家では主に妻がマイクロフォーサーズ規格のLUMIX GX8(防塵防滴)を使っていますが、厳冬期では手袋を着用しているため撮影をしないこともあるので、その時は私が使おうという魂胆です。
そこで、候補に上がったのが望遠に強いマイクロフォーサーズ規格のオリンパスやパナライカのレンズです。
防塵防滴で天気を気しなくてもよく、望遠レンズとしては軽量であるというのが理由でした。
候補に上がったレンズは
- M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO(760g)
- DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S(660g)
です。
どちらも換算で300mmの世界を味わえますし描写力も折り紙付きです。
ですが、触手が動かなかったのですよね。
心の中では、メインシステムで使っているXマウント機側に振りたいと感じていたのかもしれません。
40-150mmまた、旅行などを目的として使う場合に妻からカメラを拝借しなかればなりません。
そうなると今度は妻が撮影したい時にできなくなっちゃいます。
そんな背景事情もあり、意外と使い道が限られそうという懸念を感じ却下。
XF50-140mmとテレコン1.4Xでシステムを組む
メインシステムをXマウント機にしていることもあり、ここは純正レンズで1本化を図ったほうがいいのではなかろうかとも思いました。
そこで、考えたのがFUJIFILM Xシリーズのフラグシップ望遠レンズ、XF50-140mm F.8R R LM OIS WRです。
Xユーザーなら一度は気になるであろうレッドバッジズームで、ブログなどでべた褒めされていますよね。
テレコンバーター XF1.4X TC WRと組み合わせれば、テレ端が196mmになり換算が299mmになります。
F2.8通しで防塵防滴ですから、天候を気にせず撮影できます。
見た目もカッコよく、描写力も評判がいいですね。
しかし、最終的には、防塵防滴でもない普及価格帯のXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを選びました。
理由は望遠側の焦点距離が欲しかったこと、パンフォーカス撮影を目的にするなら、XF50-140mmに匹敵する解像度を叩き出す確信を得たからです。
一瞬、CANON EFマウントを使うことも考えた
FringerのマウントアダプターをかませてCANONのEFマウントを使うということも考えました。
EFマウントのレンズはCANON純正だけでなく、SigmaやTamronからも出していますから選択肢が広がります。
例えば、ライトバズーカのSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS を組めばマウントの重量を加えても、わずか1200g台で150〜600mm相当の世界を味わえます
(下の動画ではSigma 150-600mmが紹介されています)
そんな時にFringerのアダプターがあれば、CANONのEFをレンズを使うことができます。
しかし、現時点での私の仕様用途を考えると、野鳥や飛行機を撮影する機会がなくあえなく候補から脱落しました。
また、換算で300mm程度までの焦点域のレンズを使うなら、FUJIFILM純正でよくて、マウントアダプーターにお金をかけるメリットは薄いかなと思いました。
将来的に超望遠の焦点域を味わいたくなったら、選択肢に入れておくのも悪くないですね。
普及価格帯のレンズを視野に入れる
普及価格帯のレンズのメリットは価格が安いということだけではありません。
最大のメリットはレンズがコンパクトで軽量だという点です。
Xシリーズ最軽量望遠レンズ XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II
XC50-230mm F4.5-6.7 OIS IIの重量は約380g(おそらくフードやキャップを入れても450g以下)と軽量で振り回し易いこと間違いありません。
これならボケと解像感重視のXF90mm、それから遠景撮影目的としてXC50-230mmの2本を同時に持ち歩いても総重量はXF50-140mmと同等になり、持ち運ぶ重量としては許容範囲です。
一つ気になった点があります。
やっぱり絞り開放のF値と手振れ補正のバランスです。
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIの手振れ補正は3.5段です。
手振れ補正は、以前に使っていたsmc PENTAX-F 80-200mm F4.7-5.6というレンズとPENTAX K-30(ボディ内手振れ補正機構で3段)と同等ですね。
この組み合わせでも少し暗い時間帯での撮影は少し厳しく感じることがありました。
とは言え、XC50-230mmの作例や見てもさほど悪い写りをしているようには見えないレンズです。
(でもXF55-200mmの方が若干、解像度は高い)
晴れの日に日中の遠景を撮影をするだけなら悪くない選択肢だと思いますね。
廉価品レンズですが、光学系の性能は手を抜かないFUJIFILMの姿勢に哲学を感じます。
風景写真家も愛用する人が多いXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
冒頭で書いた通り最終的にはXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを導入することにしました。
4.5段分の手振れ補正と300mm相当の画角が手に入ります。
XF50-200mmは以前にテスト撮影をやっています。
(その結果、XF90mmを手にしたわけですが)
ただし、その時は絞り開放での撮影を重視していました。
今回はF値をF8やF11まで絞って遠景の景色を撮影をすることが目的です。
なぜ、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを選んだのか?
絞って撮影をした際の解像度はレッドバッジズームであるXF50-140mmにほぼ匹敵するからです。
正確に言うと等倍で見た時、僅かに50-140mmのほうがコントラストやディテイルがありますが、軽いレタッチで同レベルになるというもので実用レベルなら分からないという見解です。
私自身、この動画を観て納得しました。
とても客観的な情報を提供してくれている動画だなと思います。
ポイントを掻い摘んで動画のスクリプトを大雑把に訳していきますね(^_^)
それではいきましょう。
防塵防滴について。動画3:26〜
I think the thing about weather sealing is that I have been using this used it in rain and wind and stuff like that and it has been okay I have been using it for 3 years now.
XF55-200mmは防塵防滴でないレンズですが、動画の中でAndyは、雨や風の中でを3年間使ってきてさほど困ることはかなったような趣旨のことを言っています。
雨や風がどの程度のものを指しているのか分かりませんが、私はこういう考え方です。
厳冬期でも快晴なら問題なし。
雨が降るという想定であればXF55-200mmは使わない。
その代わりズームはできませんけど防塵防滴仕様のXF90mmを持ち出します。
じゃあ、肝心の写りはどうなの?に対する疑問を動画から解きほぐしていきましょう。
55mm付近での比較(ISO200 1/320 f/11)動画5:57〜
We were both quite surprised actually when we looked at these images because there is really not a lot of difference here. The 50-140 looks a little bit more contrast it’s a little bit dark in the shadows and there is a little bit more detail. But not huge amount and we found that basically just by pumping up the contrast a tiny bit you could get them pretty much the same. But really there is not a huge amount of difference certainly.
画像を実際に見てみると、それほど違いはないので非常に驚きました。
50-140は、もう少しコントラストが高く、影が少し暗く、ディテイルがあります。
それも大した量ではないので、基本的にコントラストを少し上げる(現像ソフトで)だけでほぼ同じ(XF50-140 と XF55-200 の差が)になります。
実際には大きな差はありません。
95〜100mm付近での比較(ISO200 1/320 f/11)動画7:35〜
There was the most detail the 50-140 definitely a sharper. It`s definitely resolving a little bit more detail and it`s a little bit more contrasting. But if you pumping up the contrast to about ten somewhere around there maybe nine now can`t see a huge amount of detail.
ほんの少しですが、確実に50-140の方がディテールがありシャープで、コントラスが高いです。
しかし、(Capture oneで)コントラストを上げると両者に大きな違いは見られません。
140mm付近での比較(ISO200 1/320 f/11)動画9:34〜
I would say that 50-140 it looks a little bit more contrasting. But again just we can just punch in a little bit more in process in capture one.
50-140はもう少しコントラスが高いと思います。しかし、ここでも、Capture Oneの処理できます。
結論。動画11:16〜
In terms of the optical quality, there is not much to choose between the two of them.
光学的な品質に関してはそれらの2つ(XF50-140とXF55-200)はほとんど同じです。
<中略>
But if you are shooting landscape in the middle at f/11, which is where we have taken these shots you are not really going to see a huge amount of difference.
しかし、f/11で風景を撮影している場合、それほど大きな違いは見られません。
絞ってパンフォーカス撮影をすることが目的ならXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISでイケる!ということなんですね。
風景写真家・辰野氏もXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを愛用されていますね。
<参考:デジカメWatchより>
普及タイプ VS レッドバッジ…望遠ズーム選択の基準を風景写真家・辰野清さんに聞く
実はXキャラバンのイベントで、彼のトークを聞く機会があったのですが、その時に言っていた言葉があります。(こんな趣旨で仰ってました)
普及価格帯のレンズを馬鹿にする人がいるけど写りが悪いことがなんてことはない
この風景写真をされている方もXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを愛用していますね。
<参考ブログ>
MATTHEW STORER
B&H、Amazon USAのレビューなどでも風景撮影という分野ではポジティブな意見が多いです。
以上のことを多方面から判断した結果、カバーできる焦点距離が短く重量もサイズも大きくなるXF50-140mmに手を出す理由はない、という結論に至りました。(防塵防滴は魅力的ではありますが、XF90mm持ってるしー。)
そういうわけで、望遠ズームレンズXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISに活躍していただくことにしたというわけです。
あなたは何を考えて、何を重要視し、どんなプロセスを得て、どんなレンズを選びますか?
それでは。