懸垂の動作だけでローンイング系のワークアウトができないものか、と悩んでいませんか?
実は、ダンベルやバーベルに頼らなくてもぶら下がる場所さえあればローイング系のワークアウトができるんですよ。
”引く”ワークアウトにはプル系とローイング系の2種類がありますよね。
- プル:上から下へ垂直に引く
- ローイング:下から上へ水平に引く
ローイング系の動作は、重りをみぞおち辺りを目指して水平方向に引く動作です。
懸垂でも水平方向に引く動作を疑似的に作ってやればいいんですよ。
私もたまにチンニングスタンドを使ってやってますよ。
(ケトルベルや可変式ダンベルも保有してるけど、あまりローイングやらないため)
もくじ
V字懸垂
V字懸垂は、体をくの字の姿勢にして下から上へ引く懸垂です。
引く力だけでなく姿勢を保持する腹筋力も必要になります。
(広背筋と腹筋の両方を鍛えられるので一石二鳥ですよね!)
ここでは2種類のV字腹筋を紹介しましょう。
チンニングスタンドの取手を使ったパラレルグリップV字(足上げ)懸垂
チンニングスタンドの取手(ディップスをやる時に使うハンドル)を握り、V字の姿勢(足を上げる)または膝を抱えるような姿勢で、体を引きます。
この動作では
- 広背筋
- 腕橈骨筋(前腕の外側)
- 腹筋
を鍛えることができます。
このV字懸垂、通常の懸垂の半分以下まで回数が落ちます。
それだけ強度が高い動作だと言えますね。
広背筋だけに関して言えば、加重懸垂よりも効きます。
翌日、広背筋(特に上背部を中心に僧帽筋や大円筋)に強烈な筋肉痛がきますよ(笑)。
上の写真を見てもらえれば分かりますが、腕橈骨筋(前腕の外側)にも強い刺激が入りますよ。
その理由はパラレルグリップで握っているからなんですよね。
「ダンベルがないからハンマーカール ができないんだよ」と悩むことがなくなりますよね。
広背筋だけでなく、腕橈骨筋もついでに鍛えられる、それも短時間で。
これこそ、チンニングスタンドがある環境でワークアウトをやる人の特権と言えますね。
バー(鉄棒など)を使ったV字懸垂
バーだとパラレルグリップで握れませんよね。
そんな時は、逆手でバーを握りV字懸垂をやりましょう。
この動作はベントオーバーローを逆手で引く動作に似ています。
広背筋の中でも下部に効きますね。
ただ、上腕や腕橈骨筋にはあまり効きません(感覚値です)。
他の筋肉が関与し難いため、自重だけで広背筋下部を狙った刺激を入れるのに適したワークアウトだと言えます。
個人的にはパラレルグリップで引くやり方の方が好みです。
(副次的に腕橈骨筋も使うけど同時に鍛えられるので)
最強版はタオルを握ったV字懸垂
グリップ力、腕橈骨筋、広背筋、腹筋を同時に鍛えるならタオルを使ったV字懸垂一択です!
チンニングスタンドがあれば特別な道具なんて要りません。
まさしく自重版ワークアウトの鉄板種目の一つと言えましょう。
(ただ、グリップ力が低下して落下しないように気をつけて!)
逆手でみぞおちに引く(スターナムチンニング)
V字懸垂だと
- 腹筋力を使うので広背筋だけに集中できない
- 背中から落下するリスクがあって怖い
と感じる人もいるでしょう。
そこで提案。
スターナムチンニングをやってみてはいかがでしょうか。
私もこの種目が好きです。
V字腹筋(たとえ膝を少し丸めたとしても)で腹筋が疲れてくると、広背筋で引く動作に集中できなくなってくるんですよね。
集中力が低下すると、何かの拍子に背中から落下してしまうなんてことも(普通は咄嗟に足を着きますが)。
(床にマット敷くと精神安定剤になります)
ならば、スターナムチンニングをやってみましょう。
この種目は広背筋が存分にストレッチされるのを感じますね。
以前は、雲梯を使ってパラレルグリップでやっていました。
チンニングスタンドだと逆手でやると動作しやすいですね。
引くときに、みぞおちがバーへ触れるように意識して(触れなくてもいい)動作します。
例えるなら、エルボーを斜め下へ向かって食らわすイメージです。
(人にやっちゃダメよ)
逆手でやるスターナムチンニングの動作は、ストレートバーを使った逆手(アンダーグリップ)のシーテッドローングに似ています。
上腕よりも広背筋の下部に刺激が入ることを実感しますね。
三角筋の後部も使いますよ。
アンダーグリップでスターナムチンニングをやり込んだ翌日は、肩の後ろが筋肉痛になることがあります。
スターナムチンニングは、肩後部のワークアウトをやるのが面倒な人にもオススメですね。
時短ですよ、時短。
スターナムチンニングでは体を一気に引きつける筋力が必要です。
ある程度、筋力を備えた段階で導入すると効果的にワークアウトができますよ。
先ずは自重懸垂で15回を目指しましょう。
プル動作とローング動作を組み合わせて広背筋の力を最後まで振り絞る
垂直方向に引く懸垂はプル系動作ですが、V字懸垂やスターナムチンニングをやることで、ローイング系動作ができることが分かりましたね。
さて、ここからは応用編です。
筋肉は単一動作をするよりも、より多くのバリエーション動作を入れた方が実用面でも使えますよね。
ならば、プル系とローイング系動作の両方を懸垂でやって筋肉に力を最後も振り絞るワークアウトができますよね。
ポイントは、回数がこなせない種目からやることです。
回数がこなすのを難しい順番に「引く」動作をやっていくと、より多くの筋肉に刺激が入りますよ。
- 加重懸垂で多くの筋肉を動員して筋出力を発揮する
- パラレルグリップのV字懸垂(自重)で広背筋に集中的に刺激を入れる
- 自重のノーマル懸垂をやって筋肉の力を出し切る
加重懸垂では多くの筋肉を動員できますが、自重懸垂ほど回数をこなせませんよね。
加重懸垂では、
- 動員している筋肉の一部にボトルネックがあると、その他の部位に刺激が入り切る前にワークアウトを終了
することになります。
例えば、広背筋が力を出し切る前に上腕が疲れてしまうかもしれません。
そこで、加重懸垂で体が上がらなくなったら自重のV字懸垂に切り替えます。
腕橈骨筋の力と広背筋を動員でき、かつ、広背筋にも刺激が入ります。
加重する重量をどんどん落としていくやり方もありますが、垂直動作の懸垂では上腕二頭筋も一緒に動員される割合も多いです。
広背筋を使う割合が多くするという動作という意味では、V字懸垂が適しています。
V字懸垂は加重懸垂(例えば、自重+20kg)よりも回数をこなせます。
次第に広背筋が熱くなってきて上がらくなるでしょう。
でも、通常の懸垂(ノーマルグリップの順手)ならまだ上がります。
数回しかできないかもしれません。
ここで、最後の筋出力を振り絞ってワークアウトを終了します。
このやり方なら、
- 腕橈骨筋、上腕二頭筋、広背筋の筋肉を動員し筋力を発揮し(加重懸垂)
- 広背筋の出力を出し切り(V字懸垂)
- 最後に腕橈骨筋、上腕二頭筋の力を借りて広背筋を最後まで追い込める(通常の自重懸垂)
というステップでワークアウトができますね。
是非、やってみてはいかがでしょうか。
チンニングスタンドでがあればできちゃいますよ。
それでは。