Xマウントを導入してからX-T2とXF16mm F1.4 R WRのテスト撮影を厳冬期の山で行なった時のお話です。
舞台は福井県越前大野の荒島岳。
結論を言うとXF16mm F1.4 R WRはエクストリームな環境の風景撮影にも使えることを確認できました。
もくじ
雪山でも使えるXシリーズ(FUJIFILM)の防塵防滴の広角単焦点レンズ XF16mm F1.4 R WR
なぜ、FUJIFILMは防塵防滴の広角単焦点レンズ(XF16mmやXF23mmを)準備しているのだろうかって考えてみました。
それは、APS-C機でもフィールドでアーティスティックな表現をできるように、という想いを込めているのかなって思っています。
フィールドとは、マイナス10度まで耐えうる防塵防滴・耐低温構造と謳っている通り雪山での撮影も想定しています。
山での行動中はズームレンズの方が何かと利便性が高く、アーティスティックな被写体や表現を狙うというシーンが想定しなければ、単焦点レンズを使わなくてもイイですよね。
多様な画角に対応するという点においては利便性が悪いですからね。
なんですけども、自分が撮影したい画角が決まっていたり、軽量化をしたい場合、あるいは特定の被写体をアーティスティックに撮影したいといった場合に、単焦点レンズはいいですよね。
「全行程マニュアル撮影で挑んだ大縦走。2017年ベスト1を振り返る(前編)」で書いたような縦走をやるときは、F値は凡庸でも描写力(解像感と言う意味で)を担保できているズームレンズが一番ベストな選択になります。
しかしながら、そんなシチュエーションでも単焦点レンズ1本で山に入って来ている方がいらっしゃいました。
カッコイイですね。
単焦点1本勝負って。
厳冬期の雪山でX-T2とXF16mm F1.4 R WRを使って撮影
撮影場所は大野市の荒島岳です。
全てJEPG撮って出しで、使用したフィルムシミュレーションはVelviaです。
今回はパンフォーカス(F5.6またはF8)での撮影が中心です。
したがってXF16mmの持つF1.4という明るさの能力を活かしているわけではありません。
それでは、作例です。
シャドー部が潰れないんですよね。
これもそう。
黒飛び感がないですね。
全然余裕な感じがします。
ローアングルで太陽の光芒と雪面のコラボを狙いました。
X-T2のチルト式のモニターが役立ちました。
固定式のモニターだとファインダーを覗いてきつい体制をしなければ撮影できません。
冬山装備でしたからね。
モニター覗いて撮影できるのは便利ですよ。
これだけF2.8で撮影しています。
日陰のシーンなのにトレースの跡もきちんと写し出されていますね。
気温はマイナス3度。
野辺山の寒さと比較するとさほど厳しい気候ではありません。
X-T2とXF16mm F1.4 R WRは防塵防滴ということもあり、雪上にカメラを置いても平気です。
曇ってくるとフィルムシミュレーションをクラシック・クロームに変えます。
ペンタックスでいう「銀残し」と「リバーサルフィルム」を足して2で割ったイメージです。
XF16mm F1.4 R WRはバラエティなシーンで活躍できる優秀な広角レンズ
XF16mm F1.4 R WRは画角こそ不自由な面があるものの、多様なシーンで活躍できるレンズだということを認識しました。
仮にパッと見でXF16mm F1.4 R WRでパンフォーカスで撮影した写真の解像感が、ペンタックスのDA16-85mmやFUJIのレッドバッジレンズXF16-55mmの広角側と同じ程度だとしても様々なシーンで表現力の差が出ます。
表現力とは解像感だけではありません。
- シャドーまできちんと写し出す
- 多様な照度のシチュエーション(F値とか)で対応できる
- クローズアップ撮影ができる
ということです。
画角の万能さはないけれど、表現力の自由度にはXF16mm F1.4 R WRに圧倒的な分があります。
総合的にXF16mm F1.4 R WRは解像感が高いと言われているズームレンズの能力を上まります。
そう言った意味でXF16mmはAPS-C機専用の広角レンズとしては最高峰の座に君臨してますね。
XF16mm F1.4 R WRはインターバル撮影をして星景のコンポジットを組めます。
XF16mm F1.4 R WRはF2.8まで絞れば広角レンズとしては画角が少し狭いものの、星景撮影にも使えます。
XF16mm F1.4 R WRは広角マクロレンズとしても使えます。
森歩きやブツ撮りにイイですね。
XF16mm F1.4 R WRはストリートフォトはもちろんのこと広角系のポートレートとしても使えますね。
XF16mm F1.4 R WRは伊達に高いだけのレンズではありません。
おまけ
大野市の1月における日照時間はわずか63時間。日本海の気候の影響を受けない東京では184時間です。実に3倍もの開きががあります。厳冬期は晴れマークがついたら、ラッキー!くらいな気持ちでサーっと行かないとチャンス逃してしまいます。
<参考:気象庁の30年間の統計データ>
それでは。