シリーズ第2回目は 76mm相当の画角となるXF50mmF2 R WRの解像度比較です。
XF50mmF2 R WRは日常生活でのテーブルフォト、登山中の樹林帯からの撮影、旅行などで大変重宝しているレンズです。
では、本題に入っていきましょう。
関連記事:
・撮影方法についてはこちらの記事
・XF23mmF2 R WRの比較はこちらの記事
・XF90mmF2 R LM WRの比較はこちらの記事
もくじ
XF50mmF2 R WRで撮影したF値ごとの写真
XF50mm F2で撮影した全体の写真です。
少しだけ画角が異なりますが、比較対象となるXF55-200mm 、ZUIKO12-40mm Pro F2.8もこんな感じの写真となります。
この検証では比較的近い距離感での撮影をしています。
そのため換算75〜80mmにもなってくると周辺部の解像度というよりはボケの要素も加わってきますのでその辺りも念頭において比較とします(という事情で、XF90mmの比較についてはもっと遠景の風景で検証中)。
なお、今回のXF50mmで遠景のみを狙った写真は、記事の最後の見出しで掲載してますのでご参考ください。
それでは、比較していきましょう。
黄色枠の部分(てか大雑把に枠つけただけです)を切り出しのが下の写真。
切り出し部分は縦・横共に800ピクセルです。
※比較対象となるf/2.8〜f/16を掲載
比較的近めの撮影であれば、絞りf/8辺りから周辺部の画質が解像してきますね(ただし、近距離のためボケの要素も入っております)。
F2.8(ISO200 | 1/3200s)
XF50mm VS VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
12-40mmPro@40mm
f/2.8で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/2.8 12-40mm@40mm f/2.8
周辺部の画質はZUIKO12-40mm F2.8Proのほうがはっきりとしていますね。
ただ、前述したように比較的近めの距離で中望遠(換算75〜80mm)で撮影しているため、一概に解像度だけで一括りはできないなと思います。
ボケという観点では、APS-C(XF50mm)とマイクロフォーサーズ(12-40mm)の違いから、XF50mm F2のほうがボケているという見方もできます。
F4(ISO200 | 1/1600s)
XF50mm VS XF55-200mm VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
XF55-200mm@55mm
12-40mmPro@40mm
f/4で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/4 XF55-200mm@55mm f/4 12-40mm@40mm f/4
絞りf/4でもZUIKO12-40mm F2.8Proがハッキリと写っていますね。
F5.6(ISO200 | 1/800s)
XF50mm VS XF55-200mm VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
XF55-200mm@55mm
12-40mmPro@40mm
f/5.6で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/5.6 XF55-200mm@55mm f/5.6 12-40mm@40mm f/5.6
f/5.6まで絞っても大差がないかなぁ。
F8(ISO200 | 1/400s)
XF50mm VS XF55-200mm VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
XF55-200mm@55mm
12-40mmPro@40mm
f/8で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/8 XF55-200mm@55mm f/8 12-40mm@40mm f/8
f/8まで絞ると全体的に解像してきます。
XF50mmとZUIKO12-40mm F2.8Proが同じくらいですかね。
F11(ISO200 | 1/200s)
XF50mm VS XF55-200mm VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
XF55-200mm@55mm
12-40mmPro@40mm
f/11で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/11 XF55-200mm@55mm f/11 12-40mm@40mm f/11
さすがにf/11まで絞るとボケというよりは単純に解像度の差が出てくるのではないかと思います。
XF50mmの周辺部がシャキッ!としましたね。
ここで単焦点の本領発揮と言ったところでしょうか。
ZUIKO12-40mm F2.8Proも解像度が上がりましたが、XF50mmと比べると色ズレがありますね。
(スライドショーでご覧ください。)
ちょっと脱線してズームレンズにも触れておきましょう。
XF55-200mmはまだ緩々です…(広角側なんですがねぇ)。
一方で、ZUIKO12-40mmは望遠側(40mm)ですが、XF55-200mmより写っています。
(スライドショーでご覧ください。)
ZUIKO12-40mmは単焦点には敵わないけど、さすがにPROレンズと冠しているだけあるよなぁ、と納得しました。
F16(ISO200 | 1/100s)
XF50mm VS XF55-200mm VS 12-40mmPRO
個別の写真です。
XF50mm
XF55-200mm@55mm
12-40mmPro@40mm
f/16で撮影した写真を並べて比較してみます。
XF50mm@f/16 XF55-200mm@55mm f/16 12-40mm@40mm f/16
f/16まで絞ってようやくXF55-200mmも解像してきましたね。
比較的、近めの距離で風景撮影をするならXF50mmのポテンシャルを引き出せますね。
絞り開放ではボケを活かし、絞ればパンフォーカスになる様子がお分かりいただけたのはないでしょうか。
実用場面で遠景撮影した写真の解像度
遠景撮影にも触れておきましょう。
XF50mm(FUJIFILの場合は換算76mm)で風景撮影をする時は、足元の風景を入れることは滅多にないんですよね。
実際には目線から比較的遠めの被写体を撮影することが多いです。
検証ではf/16までの例を出しましたが、実用上の絞りに関して言えば、前ボケを作りたい時はf/2.8、絞ってもパンフォーカスにしてもf/8までの範囲で撮ることが多いです。
ということで、実用場面で撮影した写真で解像度を見てみましょう。
手持ち撮影で、かつ、被写体や距離感がまちまちなので完全比較とまではいきませんが参考になると思います(この絞りと写真探すの大変だった…。)
写真の黄色枠(こんな感じだよ!的な範囲)を800ピクセル四方で切り出したのが右の写真です。
XF50mmF2 R WRで撮影した遠景
XF50mm f/2.8で撮影
XF50mm f/4で撮影
XF50mm f/5.6で撮影
XF50mm f/8で撮影
切り出した部分をスライドショーでご覧ください。
遠景撮影をするなら絞りf/2.8から解像しているのがお分かりいただけると思います。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS@55mmで撮影した遠景
XF55-200mmで遠景を撮影する時は、f/8からf/11に絞っています。
それ以外の絞りはまず使うことがありません。
裏を返せば、遠景撮影をすることが目的ならば明るいF値のレンズは不要と言えます。
fXF55-200mm@55mm f/8で撮影。
XF55-200mm@55mm f/11で撮影。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO@40mmで撮影した遠景
ZUIKO12-40mmPRO F2.8(マイクロフォーサーズ)で遠景を撮影する時は、前景をボカしたいなどといった目的がなければ、ほぼf5.6の絞りで運用しています。
理由としては被写界深度が深いため、APS-Cセンサー搭載機ほど絞る必要がないからです。
ZUIKO12-40mm@40mm f/5.6で撮影。
ZUIKO12-40mm@40mm f/5.6で撮影。
ズームレンズの方もスライドショーで確認してみてください。
XF55-200mmと12-40mmを一緒にまとめてます。
という具合にズームレンズも遠景そのものを撮影するのであれば、単焦点とまではいかずとも解像するのが分かりますね。
結論
- XF50mm F2で比較的近め(足元も少し入る感じ)の風景撮影で四隅まで解像させるには、f/11まで絞るといい。
(スライドショーでご確認ください。)
- 同様の条件で、f/11まで絞るとXF50mm F2が一番、周辺部の画質が良い。
(f/8とf/11の画像をスライドショーでご確認ください。)
- 遠景撮影ならズームレンズでもパンフォーカスとなるf/5.6(マイクロフォーサーズの場合)やf/8まで絞れば周辺部まで安定した画質になる。
最後に各レンズで遠景撮影した切り出し部分をスライドショーにして終わります。
それでは。