シリーズ第3回目は137mm相当の画角となるXF90mmF2 R LM WRの解像度比較です。
XF90mmF2 R LM WRは登山中の人物撮影、お花、特定の被写体を狙った風景などで大変重宝しているレンズです。
今、手持ちのレンズではXF16mm F1.4に並びトップクラスの解像度を誇るレンズです。
では、本題に入っていきましょう。
今回の検証はかなり力を入れてやりました。
関連記事:
・シリーズ1回目のXF23mm F2 WRの比較はこちらの記事に書いてます。
・シリーズ2回目のXF50mm F2 WRの比較はこちらの記事に書いてます。
もくじ
比較方法について補足
換算135mm(FUJIFIMでは137mm)にもなってくると、微ブレがシビアになってきます。
そこで、今回は以下の条件で撮影をしました。
・無風の環境であること
・三脚はアイレベルの高さで調整
・レリーズを使って撮影すること
・同じF値でそれぞれ3枚づつ撮影
・撮影した写真はその場で拡大表示してブレがないことを確認すること
この通りレリーズを使ってシャッターを切っています。
(PENTAXのレリーズ CS-205 を使ってますが普通にX-T2でシャッター切れます)
カメラはしっかりと三脚に固定します。
上記の条件でXF90mmF2 R LM WRで撮影した全体の写真です。
比較対象となるズームレンズは、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISで同様の構図で撮影しました。
XF90mmF2 R LM WRで撮影したF値ごとの写真
それでは、先ずはXF90mmのF値ごとに比較していきましょう。
※f/11までの比較とします。
黄色枠の部分(大体の範囲です)を切り出しのが下の写真。
切り出し部分は縦・横共に800ピクセルです。
画面中央部です。
スライドショーで見てみましょう。
この通り画面中央部については、絞り開放f/2から解像しているの分かのではないでしょうか。
次に画面の右下です。
f/2 f/2.8 f/4 f/5.6 f/8 f/11
スライドショーで見てみましょう。
絞り開放f/2だと少し甘さを感じますが、1段絞ったf/2.8から解像しているのが分かると思います。
f/4まで絞ると更に解像度が上がりf/11まで維持できていますね。
このほぼ絞り開放に近いF値から解像するのがXF90mmのアドバンテージと言えましょう。
それでは、個別のF値で撮影したものを詳しく見ていきましょう。
F4(ISO200 | 1/2000s)
XF90mmF2 R LM WR VS XF55-200mm
先ずは絞りf/4の比較です。
XF55-200mmは焦点距離と絞りの設定の都合上、f/3.9での撮影となっております。
画面中央部の比較。
XF90mm f/4 XF55-200mm@86mm f/3.9
スライドショーで見てみましょう。
XF55-200mmは絞り開放ということもありますが、明らかにXF90mmの解像度には及びませんね。
画面右下の比較。
XF90mm f/4
XF55-200mm@86mm f/3.9
スライドショーで見てみましょう。
画面周辺部でもXF90mmに軍配が上がります。
勝負になりませんね。
では、絞ってF値上げていくとどうなるのか?
F5.6(ISO200 | 1/1000s)
XF90mmF2 R LM WR VS XF55-200mm
画面中央部の比較。
XF90mm f/5.6 Xf55-200mm@86mm f/5.6
スライドショーで見てみましょう。
f/5.6まで絞るとXF55-200mmも解像度が上がってきますね。
とは言え、やはりXF90mmのほうが繊細に写っているのが分かります。
画面右下の比較。
XF90mm f/5.6 XF55-200mm@86mm f/5.6
スライドショーで見てみましょう。
周辺部の画質はXF55-200mmもf/5.6まで絞ると安定してきますね。
F8(ISO200 | 1/500s)
XF90mmF2 R LM WR VS XF55-200mm
それでは、パンフォーカス撮影の入り口も言うべき絞りf/8での比較を見てみましょう。
画面中央部の比較。
XF90mm f/8 XF55-200mm@86mm f/8
スライドショーで見てみましょう。
f/8まで絞るとXF90mmもXF55-200mmも区別がつかなくなってきますね。
画面右下の比較。
XF90mm f/8 XF55-200mm@86mm f/8
スライドショーで見てみましょう。
周辺部の画質もf/8まで絞るとXF90mmもXF55-200mmmも同レベルになりますね。
F11(ISO200 | 1/200s)
XF90mmF2 R LM WR VS XF55-200mm
それでは最後の比較はf/11です。
実はXF90mmではf/11まで絞って使うことはありません。
せいぜいf/8までです。
しかし、XF55-200mmではf/11で撮影することが多いんです。
そこは絞り別の解像度によるところが大きいんです。
では、見てみましょう。
画面中部の比較。
XF90mm f/11 XF55-200mm@86mm f/11
スライドショーで見てみましょう。
画面中央部については、ご覧の通りf/11まで絞ればXF90mmもXF55-200mmもほぼ同等です。
ただ、XF90mmについてはf/8よりも若干、繊細さが失われているように感じます。
画面右下の比較。
XF90mm f/11 XF55-200mm@86mm f/11
スライドショーで見てみましょう。
周辺部画質についてもXF90mmとXF55-200mmは大差ないですね。
結論
- XF90mm F2は絞り開放f/2から画面中央部で解像する
- XF90mm F2は絞りf/4から周辺画質が安定的に解像する
- XF90mm F2の遠景撮影における解像度ピークはf/5.6からf/8である
- XF90mm F2のf/8〜f/11はXF55-200mmと同等である
- XF90mm F2のアドバンテージはf/4辺りから遠景撮影に使えることである
てことで、遠景撮影におけるXF90mmの利点はシャッター速度を稼げる点ですかね。
XF90mmには光学手ブレ補正機能(OIS : Optical Image Stabilizer)がありませんが日中の撮影であれば手持ちで撮影できます。
一方で、XF55-200mmも絞りf/8まで絞れば単焦点レンズのXF90mmに匹敵する解像度を叩き出すことが分かりますね。
防塵防滴が必要なシーンではXF90mm、絞って風景を撮影することを目的とするならXF55-200mmを選ぶといいのではないでしょうか。
それでは。