(※この記事は2019年7月3日に更新されました)
蝶ヶ岳へ行く醍醐味は、何と言っても眼下に広がる松本盆地と目の前に広がる穂高連峰でしょう。
そして気持ちがいいテント場があることです。
蝶ヶ岳への登山は標高2500mまで樹林帯歩きになります。
夏も上まで行くと景色が素晴らしいのですが、行く過程も楽しみたい人は紅葉が始まる9月に行くのがオススメです。
当記事では三股登山口から入ることを前提に注意点、楽しみ方、アイテムなどをご紹介します。
もくじ
三股登山口から蝶ヶ岳ヒュッテ(テント場)までの所要時間
昭文社の山と高原地図 (2010年版の場合)では三股駐車場から5時間と記載されています。
私の感覚値では一般の登山者が無雪期に日帰りの荷物で歩いた場合、ほぼこの通りになるのではないかと思っています。
スタート標高が1350mです。
蝶ヶ岳のテント場が約2600mあります。標高差は約1300mです。
300m/hの登高ペースで歩いて休憩をすれば5時間が妥当ってところです。
山をやり込んでいる人ならもっと早いペースで行けるハズです。
夏場なら暑くてペースが落ちるかもしれませんが、秋口なら少しは快適に登れるのではないでしょうか。
参考までに三脵登山口から、蝶ヶ岳ヒュッテのテント場までの所要時間(休憩込み)を載せます。
もちろん、体調やメンバー構成でペースが変わるという前提です。
2011年4月(残雪期):4時間(ソロ、日帰り、アイゼン・ピッケル使用)
2014年5月(残雪期):5時間20分(数名、日帰り、アイゼン・ピッケル使用)
2014年9月:4時間(ソロ、徹夜で日帰り装備)
2015年7月:4時間20分(妻と2人、テント泊装備)
2017年9月:3時間50分(妻と2人、テント泊装備)
テント泊装備なら、ストックを併用すると上半身の筋力も使えるので、推進力が向上します。
私はブラックダイヤモンドのトレイルを使ってます。
ショックアブーバー機能はありませんが、荷物が25kgくらいあっても問題を感じたことはありません。
三股登山口から蝶ヶ岳ヒュッテまでの飲料水は1人2L必要
水は最大行動時間を見積もった量を持ち歩くべきです。
最大行動時間を5時間と見積もった場合、(体重*5*行動時間 ml) の飲料水が必要になります。
あなたの体重が65kgなら1.6Lの飲料水が必要になります。
現実的なところとして、2Lが適正な飲料水の量になります。
手を洗うこともあるでしょうし。
私の場合は2人分の水分量、3〜4L持ち歩いています。
不要だったら捨てればいいだけですからね。
飲料水は外に1Lのナルゲンのボトルをザックの外に収納しておき直ぐに飲めるようにしています。
残りの水は4Lの飲料水が収納できるMSRのドロムライトバッグに入れておき、それをそのままザックに放り込んでいます。
形も変形しますし嵩張らないので大変重宝しております。
※2019年7月現在、更に強力な素地のドロメダリーバッグを使っています。
9月に蝶ヶ岳で過ごすためのレイヤリング
9月の山と言えば、まだ夏の暑さを残しつつも初秋の雰囲気を感じる季節になります。
具体的には日中の登山は夏よりも少し涼しいけれど、夏の格好で歩くみたいな。
テント場に着いて夕方になってきたら、下界の初冬の格好という感じになります。
登りは基本的に半袖シャツを着て歩いています。
色々なメーカーを試してきましたが着心地がいいと思うのはモンベルの WIC.Tシリーズです。
汗をかいても乾きが速いです。
そして臭いも付きにくいです。
WIC.Tシリーズを好む理由。
着心地がいいのは大前提なのでそれは置いておいて、普通っぽいシャツだから好んで使っています。
価格も2500円程度とそんなに高くないので、ダメになっても買い替えをしやすいってのもあります。
汗かきですので。
テント場に着いて夕方になったら薄手のモンベルのスーパーメリノウールに着替えます。
非常に肌触りがいいです。
薄手でありながら暖かいんですよ。
分厚いアンダーシャツを着るよリも、薄手のメリノウール着てから中間着を羽織った方が暖かさを担保できるうえ、動きやすくなるので重宝していますよ。
9月の蝶ヶ岳の場合、夕方以降は、この上にジップネックのパタゴニア・キャプリーンを着て更に薄手のダウンジャケットを着ると丁度いい感じです。
蝶ヶ岳の過ごし方1:食材をふんだんに持ち込んでテント場でまったりする
蝶ヶ岳の利点はテント場からの展望がいいことです。
そんな場所で美味しい物を飲み食いできたら最高じゃないですか。
ガンガン縦走していると荷物の兼ね合いから素っ気ないドライフードや即席麺になりがちですが、蝶ヶ岳だけ目的にするなら自分が食べたい物を持ち込むと、より楽しいひと時を過ごせますよ。
もちろん、体力は使うのですが、そんなのつければいいじゃないですか。
本気で料理するならMSRドラゴンフライがオススメです。
理由は五徳が大きいからです。
しかし、燃料は液体でプリヒートが必要です。
爆音も出ます。
嵩張ります。
そんなデメリットを差し置いても、絶対的な信頼度という点においては他のバーナーを寄せ付けません。
とは言え、軽量化・コンパクト化したい人もいるでしょう。
そんな方は、SOTOウインドマスター SOD-310のようなアイテムで実現できます。
(私も使っています。詳しい記事はこちら)
蝶ヶ岳の過ごし方2:夕焼け、星空、穂高連峰のモルゲンロート の撮影をする
山の楽しみ方のメインと言ったら刻々と移り変わる景色でしょう。
下界では見られない自然現象を見ることができます。
蝶ヶ岳で景色が見頃となる時間帯は日が沈む直前から日が昇るまでの時間です。つまり、穂高連峰へ沈む夕日と、朝のモルゲンロートです!
夜に備えて真昼間はマッタリと飲み食いしながら昼寝をしておきましょう。
景色と言ったら撮影機材の登場です。
樹林帯を歩いている最中は、XF50mmのような単焦点レンズ、テント場に着いたら標準ズームレンズ、星撮りの時間になったら超広角レンズを使う感じですね。
今(2018年5月時点で)、私はFUJIFILM(X-T2)とペンタックス(K-3)を使っています。
蝶ヶ岳ではこんな機材を使う感じです。
単焦点レンズ(紅葉の葉や木の実・夕方以降のテント場の撮影用)
・FUJIFILM XF16mmF1.4 R WR
接写ができるのでマクロレンズとしても使える
標準ズームレンズ(テント場に着いてからの景色撮影用)
・PENTAX DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WR
超広角レンズ(星撮り用)
・SAMYANG 単焦点広角レンズ 12mm F2.0 フジフイルム
三脚(星撮りとモルゲンロート 撮影用)
・Manfrotto コンパクト三脚 Befree カーボンファイバー 4段
アイテム類
・星撮りやモルゲンロート 撮影時のシャッターショック防止にPENTAX ケーブルスイッチ を使ってます。(X-T2でも使えます)
・SDカードはTranscend 64GB zClass10 UHS-I対応 を使ってます。3秒ごとのインターバル撮影でも問題なく使えてます。
・Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 (明るい時間のインターバル撮影用に)
・MARUMI ステップアップリング 72mm →77mm(DA16-85mmにNDフィルターをつけるために)
それでは。