FUJIFILMの超広角レンズ「XF10-24mmF4 R OIS」を導入してから1年5ヶ月が経ちました(2019年2月購入)。
このレンズ、今や手放せないレンズの1つとなっております。
XF10-24mmはメイン機材をFUJIFILMへ一本化するきっかけになったレンズでもあります。
大いに悩んで購入しただけあって、自分が思い描くシーンでいい感じで使えています。
そんなレンズですが、稜線系の登山、展望が効く風景、ラダックの旅、トレッキングで大活躍してきました。
当記事では
- XF10-24mmF4 R OISを購入するか迷っている
- 広角単焦点を持っているけど買うべきか悩んでいる
- 広大な風景撮影をしたい
そんな方へ向けて、XF10-24mmF4 R OISを使ってきた感想を発信します。
もくじ
XF10-24mmF4 R OISで撮影した作例
先ずは作例をご覧ください。
私もこのレンズを購入する前は、目に穴が開くほど作例を見ましたよ。
周辺画質も意識して見てくださいね。
- ほとんどの写真は、f/8かf/11で撮影
- すべてJPEG撮って出し
- 使用カメラはX-T2
- 10mm以外で撮影したものについては明記してます
残雪期末期の大菩薩嶺で撮影。
積雪期末期の金剛堂山にて。
焦点距離は13mmです。
XF10-24mmF4 R OISは防塵防滴仕様ではありませんが、このくらいの天候であれば雪山でも問題なく使えます。
みちのく潮風トレイルの田野畑村で撮影。
XF10-24mmF4 R OISは逆光にも強いですね。
フレアやゴーストがあまり出ません。
私の大好きな広角レンズにXF16mmF1.4 R WRがありますが、換算24mmでは足下から遠景を誇張すような写真は撮れません。
こういう場面では、XF10-24mmF4 R OISが大活躍してくれます。
サッパ船の上から24mmで撮影。
換算36mmまでズームできるので、船上のように動けない場所で利便性を感じますね。
グリーシーズンの上高地で。
梅雨の三峰山で。
焦点距離18mm(換算27mm)で撮影していますが、f/8くらいまで絞れば単焦点レンズの解像感と遜色ありませんよ。
7月の秋田駒ヶ岳にて。
ムーミン谷方面です。
こういう地形では、ついついパースペクティブを効かした写真を撮りたくなりますね。
ラダックのレー。
旅先では、XF10-24mmF4 R OISがとても役立ちます。
その場の雰囲気をバーン!と収めたいですよね。
インダス川とオアシス。
なぜか、この写真だけは絞りf/4で撮影していました(おそらく設定ミス?)。
通常はパンフォーカスで撮影したいので絞りf/8以上でシャッターを切っています。
ラダックは青空なイメージが強いわけですが…。
標高4000mの高地トレッキングで。
雨さえ降らなければ、XF10-24mmF4 R OISはトレッキングで鉄壁なレンズです。
仙丈ヶ岳への登山途中で。
何も変哲がない写真ですね。
やはりXF10-24mmF4 R OISが活躍するのは縦走系の登山でしょう。
白馬連峰の稜線を歩きながら、20mm(換算30mm)で撮影しました。
広角になるほど僅か2mmのズーム差の威力が発揮されるんですよね。
虹を撮るには超広角レンズが必要です。
逆光でも強気で撮影できます。
紅葉の季節でも大活躍。
初冬の燕岳で。
やっぱり逆光で撮影したくなります。
この写真は、焦点距離16mm、絞りf/10で撮影していますが、このくらいまで絞るとXF16mmF1.4 R WRに匹敵する解像感を得られます。
梅雨合間の妙高山方面。
登山道と火打山。
12mm(換算18mm)で撮影しました。
以上です。
XF10-24mmF4 R OISは、こんな具合でパンフォーカスで撮影するレンズという位置づけで使っています。
f/8まで絞ると周辺画質が安定する
XF10-24mmF4 R OISは周辺画質が流れるという話もありますが、果たして本当なのでしょうか?
私は絞って撮影するなら画像の周辺部までビシッ!と決まった絵が出てくると思っています。
この作例を使って画面中央部と周辺画質を見てみましょう。
焦点距離は10mm、絞りはf/8、OIS(手ぶれ補正)はONで手持ち撮影しています。
中央部の切り出し部分です。
切り出した写真がこれ。
ブログに掲載するために圧縮をかけていますが、解像しているのが分かりますね。
次に画面の左下の切り出し部分です。
広角レンズ特湯の歪みはありますが、気になるほど流れていませんよね?
画像周辺部まで解像しているのではないでしょうか。
XF10-24mmF4 R OISは、他社製の同クラスのレンズよりも解像度が高いと感じます。
以前にPENTAK K-3のボディとSIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DCを組み合わせて使って今ました。
中央部の画質は良かったのですが、周辺画質が納得いかなかったことが多々ありましたね。
以下は、SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DCで撮影した写真です。
こちらも切り出してみましょう。
参考までに上のXF10-24mmの切り出し画像と比較してみてくださいね。
焦点距離は10mm、絞りはf/8、レンズ側に手ぶれ補正はありませんが、K-3のボディ内手ぶれ補正が効いている状態です。
中央部の切り出し部分です。
切り出したのがこれ。
まぁ、遠景なのでこんな感じでしょうかね。
画面の左下を切り出します。
ちょっとモヤっとした印象。
では、左下の切り出し部分について、XF10-24mmと比較してみましょう。
被写体は異なりますが、どちらも足元から写し出されている画像になります。
左:XF10-24mmF4 R OIS
右:SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC
この比較から見てもXF10-24mmF4 R OISの能力が際立っていることが窺えますね。
それでも尚、周辺画質が気になるという方はこちらの記事で単焦点レンズとの比較をご覧ください。
絞って撮影すれば問題ないということがお分かり頂けると思います。
フルサイズ機向けの広角レンズ並に贅沢な仕様
XF10-24mmF4 R OISは、
- 非球面レンズ4枚
- レンズにはED(異常分散)レンズが4枚
使われています。
同クラスのフルサイズ機向けの広角レンズ並に贅沢な仕様だと言えます。
一例として、SONY、Nikon、Panasonicのミラーレス機だとレンズ構成が表のようになります。
レンズ | 非球面ガラス | 特殊レンズ (EDレンズなど) |
---|---|---|
Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OS | 5枚 (うち1枚は高度非球面ガラス) | ED3枚 |
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S | 4枚 | ED4枚 |
LUMIX S PRO 16-35mm F4 | 3枚 | ED1枚 UHR1枚 |
こうして見るとXF10-24mmF4 R OISが描写力を意識して開発されたのか窺えますね。
お手頃なサイズ感:パーゴワークスのスイングLと併せて使える
XF10-24mmF4 R OISの質量は、仕様情報では410gとなっております。
但し、レンズキャップ・フード含まない質量です。
前玉と後ろ玉のレンズキャップ、フード、レンズプロテクト(EXUS 72mm)を含めた重量は487gです。
(実際にカメラにXF10-24mmをつける時は、後ろ玉のキャップ(11g)を外すので476gになります)
この程度までの重量と大きさ(ø78mm × 長さ87mm)なら、登山や旅行に持っていっても苦になりません。
例えば、旅先ではX-T2にXF10-24mmをつけっぱなしにして撮影していました。
ボディと合わせても約1kgの重量です。
必要に応じてパーゴワークスのスイングLに入れているレンズ(XF16mm F1.4とXF50mm F2)を付け替える運用をしていました。
これって、お手頃なサイズ感だからこそ旅先でも実現できちゃうんですよね。
X-T3を持っているけど「XF10-24mm」はX-T2と一緒に使っています
2020年7月現在、XF10-24mmF4 R OISは未だにX-T2と一緒に運用しています。
今年の3月にX-T3を導入しましたが、風景撮影をする場面に限っては、X-T3を使用する優位性を感じてないんですよね。
風景撮影であれば、使いたいフィルムシミュレーションが、
- PROVIA
- Velvia
- ASTIA
- CLASSIC CHROME
- ACROS
のいずれかで、X-T2に実装されているもので間に合ってるからなんです。
X-T2のセンサーは1世代古いですが、レンズの性能で世代格差は取り返せますよ。
EXUSレンズプロテクトをつけている
私はXF10-24mmF4 R OISを屋内で使うことは滅多になく、外でのアクテビティ(登山や旅)で使うことが圧倒的に多いんですね。
ですから記事の上で紹介してきた作例は、すべて72mmのレンズプロテクト(MARUMIのEXUS)をつけた状態で撮影したものなんです。
EXUSは、レンズ前玉の傷防止にもなりますし撥水性もあり、非防塵防滴のXF10-24mmF4 R OISをアウトドアフィールドでも使い易くなるんですよ。
(流石に雨が降ってきたら使いませんけど)
XF10-24mmF4 R OISを導入される際は、是非ともレンズプロテクトも一緒に準備されるといいのではないかと思います。
このレンズに対して唯一、感じているデメリットはWR(防塵防滴)仕様じゃないことですね。
もう本当それだけです。
まとめると、XF10-24mmF4 R OISは素敵なレンズです。
- パンフォーカス撮影でバシッ!と決まった絵を出してくれる
- 手頃なサイズ感と重量で旅や登山に最適
- OIS(Optical Image Stabilizer)光学手ブレ補正機能搭載
- 絶妙な焦点距離(換算15〜36mm)
とういう点で素敵!
「風景をパンフォーカス撮影するためのレンズが欲しい!」
そんな方は是非、手にしてみてはいかがでしょうか。
2020年10月15日にFUJIFILMからWR(防塵防滴)仕様の「XF10-24mmF4 R OIS WR」がリリースれましたね。
製品紹介映像もありますよ。
防塵防滴仕様の新レンズを購入するか、現行のレンズを購入するか悩みどころでもありますが、レンズ構成は据置なので光学性能は変わらないのですよね。
- 特に荒天時に撮影をする予定がない
- 絞りリングの刻印には拘らない
そんな方は現行品のXF10-24mmF4 R OISで選ぶと良いと思います。
それでは。