天の川の季節がやってきましたね。
もう天の川の撮影に挑戦してみましたか?
SAMYANG(サムヤン )12mm F2 とX-T2で天の川のタイムラプス用の撮影を300枚ほどやってきました。
さて、今回はこの撮影データを使ってどんな感じで写るのか?を実例をご紹介したいと思います。
APS-C機で星景写真を撮る一眼カメラと広角レンズのベストな組み合わせ でも触れた通りAPS-C機で星空撮影をするならFUJIFILMのXシリーズ機とサムヤン12mm F2 のレンズの組み合わせがベストと書きました。
具体的には、X-Trans CMOS III センサーと画像処理エンジンX-Processor Proを積んだFUJIFILMのカメラとSAMYANGの単焦点広角レンズ 12mm F2.0の組み合わせです。
それでは実際に天の川の撮影してきましたのでご紹介していきたいと思います。
使用レンズはXF16mm F1.4とSAMYANG 12mm F2.0です。
もくじ
星景撮影における基本の設定
ターゲットとなる絵は星を点像として撮影をし、スタートレイル(日周運動)は作らないことです。
スタートレイルの撮影方法についてはこちらの記事が参考になります。
それでは基準となる設定をご紹介しましょう。
この設定は経験則による部分もありますが、作例と照らし合わせてみたところ精度はほぼ合ってるかなって思います。
基本となる設定
- ISO3200
- 絞り f/2.8
- シャッタースピード 30秒
- 中央測光
- WB 晴れ
- ノイズリダクションOFF
- 手ブレOFF
シャッタースピードを30秒まで開けても星が流れない画角が500のルールで自ずと決まります。
・フルサイズなら16mm
・APS-Cなら10mm
・マイクロフォーサーズ(MFT)なら8mm
よって、シャッタースピードを短くして星を綺麗に撮影したい場合は、
① ISO感度を高くする
② f/2またはf/1.4で撮影する。
この2つをクリアするためには、高感度に強いセンサーや画像処理エンジンを積んでいるカメラか、絞り開放でも星の形が崩れてしまうサジタルコマフレ(コマ収差)が発生しないことが前提条件になります。
サジタルコマフレア(コマ収差)については使ってみて分かった星景撮影におけるXF16mmF1.4の適正絞り値に書きましたのでご参考ください。
上記の①を解決するのがFUJIFILMのXシリーズ機です。
センサーはAPS-Cですが、高感度耐性は高いと思っています。
(比較対象はマクロフォーサーズやペンタックス K-3)
②を解決するのがSAMYANG 12mm F2.0になります。
FUJIFILM X-T2 +サムヤン12mm F2.0で撮影した星景写真
それでは実際に星空を撮影した写真を見ていきましょう。
LightroomでRAWからJPEGに書き出していますがすべて無加工です。
撮影データは2018年3月18日の未明にかけて実施したものになります。
先ずはISO3200のf/2とf2.8で撮影したデータ。
次にISO6400のf/2とf2.8で撮影したデータ。
スライドショーでも比較してみましょう。
以上の撮影データで着目すべき点が2つあります。
・絞り開放f/2で撮影してもサジタルコマフレがほとんど出てない
・ISO6400まで上げてもノイズが目立たない
右上部分を切り出したISO3200/6400、絞りf/2とf/2.8で撮影したデータをスライドショーで確認してみてください。
さすがに25秒まで露光すると画面周辺部の星は流れ出しますが、サジタルコマフレ(コマ収差)は認められないですよね。
これこそがAPS-C撮影におけるSAMYANG 12mm F2.0とX-Trans CMOS III センサーを搭載したFUJIFIM機のアドバンテージです。
FUJIFILM X-T2 +XF16mm F1.4で撮影した星景写真
500のルールを適用すると星を点像撮影できるシャッタースピードの限界は21秒ですのでそれに近い設定で撮影しました。
解説は作例の後でしますのでとりあえず羅列した写真を眺めてみてましょう。
先ずはISO3200のf1.4、f/2、f2.8で撮影したデータ。
次にISO6400のf1.4、f/2、f2.8で撮影したデータ。
スライドショーでも比較してみましょう。
高感度に強いことは先ほどのデータでわかりましたね。
次は絞り開放f/1.4に着目してみましょう。
どうでしょう?
ちょっと画面だけじゃ分かりづらいかもしれませんね。
右上部分を切り出したISO3200/6400、絞りf/2とf/2.8で撮影したデータをスライドショーで確認してみてください。
特に④が参考になると思います。
いかがでしょうか。
特に④は3秒の露光で星がほぼ流れる要素がありませんがサジタルコマフレア(コマ収差)が目立ちますよね。
詳しいサジタルコマフレアについては、使ってみて分かった星景撮影におけるXF16mmF1.4の適正絞り値をご覧頂くと理解が深まります。
そちらでも写真を拡大した作例を掲載しておりますので、この記事の写真ではよく分からない!という方は一読頂けると良いと思います。
話を戻しましょう。
例えば、絞りf/1.4の場合、ISO6400/シャッター3秒でも星の形が崩れて星が流れたように見えてしまうことが確認できましたよね。
これがXF16mmF1.4 R WRの欠点ですね。
f/2やf/2.8まで絞れば改善されているのが分かります。
よって、XF16mmF1.4 R WRで星景撮影するなら実用絞り値はf/2以上、できればf/2.8が望ましいですね。
下の写真はPENTAX K-3とDA16-85mmの広角側(16mm)の組み合わせで撮影したものです。
ズームレンズで無限遠のマークもないのでピントをちょっと外していますがこんな感じです。
1段、絞ってF4で撮影しました。
使用レンズ:DA16-85mmF3.5-5.6ED DC WR
ISO 3200 | f/4 |20秒
どうでしょうか?
500のルールで計算すると、APS-Cの16mmは21秒までが星が流れない最大露光可能時間となります。
これ以上ISO感度を高くするとノイジーな絵になってしまいます。
サムヤン12mm F2.0 NCS CSは星景撮影に必須のレンズ
SAMYANG 12mm F2.0がいかに絞り開放からクオリティの高い絵を叩き出すことがお分かりになりましたでしょうか。
AFは効かないし、デザインや質感は安っぽい(実際に価格も3万円代と安い)し、歪曲や周辺光量が目立つレンズですが、星景撮影においては非常にアドバンテージが高いレンズです。
ちなみにLONELY SPECKでもベタ褒めされていますね。
必ずしも星景撮影をするのに高価格のレンズが必要というわけでもないのですよ。
FUJIFILM機にクローズアップしてきましたが、SAMYANG 12mm F2.0はAPS-Cセンサー搭載機のミラーレス一眼カメラをターゲットしたレンズです。
SONYのEマウントやCANON のEOS Mでも使うことが可能です。
星空撮影に挑戦するなら是非とも手にしておきたいレンズです。
ちなみにピントの山を掴むコツは「サムヤン 12mmで星景撮影のピントを合わせるコツ(FUFILMのXシリーズ対象)」を読んでみてくださいね。
最後にサムヤン12mm F2.0 NCS CSでタイムラプス用に撮影したデータをLightroomで編集したものを貼ります。
設定はISO6400 | f/2 | 10秒です。
SAMYANG 12mm F2.0は、天の川を撮るなら外せないレンズですね。
他にもこんな記事が参考になります。
天の川撮影はサムヤン12mm f/2とFUJIFILM のミラーレス一眼でバッチリいける
それでは。
今回の撮影で使った機材
三脚
Manfrotto コンパクト三脚 Befree カーボンファイバー 4段
Velbon 三脚 ウルトラロック ULTREK 45L 6段
編集ソフト
Adobe Creative Cloud フォトプラン(Photoshop+Lightroom) 12か月版|オンラインコード版