APS-C機の一眼カメラで星を撮るカメラとレンズのベストな組み合わせ


一眼レフを始めた人の多くは、APS-Cセンサーを積んだカメラからスタートしたのではいでしょうか。

 

カメラを使い慣れてくると色々と撮影したくなりますよね。山のテント場から見える星空とかね。人間いいもの見たら写真に収めたくなりますから。(笑)

 

さて、星景撮影の善し悪しは何で決まるのかというと、センサーの受光面積、レンズの光学能力、画像処理エンジンです。

 

上記のことを踏まえ、APS-Cセンサーのカメラをテント泊の登山で使用している私が考える「APS-C機で星を撮るカメラとレンズのベストな組み合わせ」をご紹介します。

 

 

APS-Cセンサーで感じている2つの限界

 

これまでペンタックスのK-3をメインで使用しておりました。

 

しかし、最近APS-Cセンサー搭載機、そしてラインナップされているレンズの組み合わせに限界を感じてきました。特に高感度で撮影するようなシーンです。顕著に限界を感じるシーンは星景写真を撮るときです。

 

1つ目は、星が点像として写るシャッター速度で撮影するにはレンズの明るさが足りないということです。星を赤道儀のような機材で追尾してもいいのですが、その方法だと風景が流れてしまいます。

 

ペンタックスのアストロレーサーで星を追尾撮影をしました。天の川はまぁまぁ撮影できている。でも、地平線に写るシルエットがボヤ〜って見えちゃうんですよね。理由は星を追尾すると景色が流れちゃうから。

 

2つ目は、ISO感度を高くするとノイズが入ります。ISO3200まで上げるとザラついた画像になってしまいます。カメラのディスプレイでも判別できちゃいますね。

 

下の写真は、SIGMAの超広角ズームレンズ 10-20mm F4-5.6 EX DC でF4、ISO3200、25秒のシャッター速度で撮影したものですがノイズが酷い・・・。更にRAWから現像し露出を+3.5上げています。ノイズリダクションはかけていません。フルサイズ機ならISO3200の撮影でも楽勝でしょう。

 

もう一つ作例を。こちらはF4、ISO6400、シャッター速度を13秒で撮影したものをLightroomで+露出で補正をかけたものです。ノイズを除去する補正はかけていません。やはりノイズが目立ちますね。

 

星を点像としてシャープに写すめには、明るいレンズ、かつそのレンズが開放でもシャープに写ること、ISO感度を上げてもノイズが入らないカメラが必要になってきます。

 

現場で無理ならソフト(Lightroomがオススメ)で補正するという手段もあります。詳細は「ノイズだらけの星景写真をLightroomでレタッチする方法」を参考にしてみてくださいね。

 

ISO感度を6400まで上げた場合、どこまでレタッチ可能なのか?という内容は「【タイムラプス】APS-C機のISO6400で星景撮影。どこまでレタッチできるのか」でご紹介した通りです。

 

ですが、今回は機材を基軸として考察していきますね。

 

そうそう、星景撮影はこんな動画のような絵が理想です。

 

この動画では、NikonD750とD610、レンズはNIKKOR 14-24mm f/2.8SIGMA35mm F1.4が使われていますね。

 

現在、が限界を感じているのは、APS-C機における高感度耐性、そして広角レンズの選択肢です。どう転んでもAPS-C機ではこのスペックと同等の広角レンズはないし、高感度耐性も勝てません。

2018年1月5日追記:FUJIFILM X-T2なら限界を突破できるかもしれないと感じております。実際に使ってみての感想です。サンプル撮影をある程度試してから別記事で書きます。

 

→  天の川の撮影の様子について書きました。

→  こちらの記事には夜の街を撮影した様子も載せています。

 

星を点像として撮影する時の広角レンズの焦点距離別による適正露出時間は500のルールを適用しよう

 

2018年3月現在、フルサイズ機換算で24mm以下、つまりAPS-C機だと16mm以下のレンズでF2.8以上の明るさがあり、かつ開放からシャープに写せるレンズの選択肢は限られています。

 

開放で撮影することによる周辺光量減光を回避し、シャープさを求めると1段絞る必要がでてきます。仮に開放がF2.8だとしたら実質の絞り値はF4.0になってしまいます。

 

新月の日であれば、F4.0、ノイズが入らないギリギリのISO感度は1600、シャッター速度30秒でやっと撮れる感じですがやっぱり明るさが足りません。

 

バルブ撮影でシャッター速度を60秒まで引っ張れば、シャッター速度30秒、F2.8相当の明るさを得られますが今度は星が流れてしまいます。悩ましいですね。星を流す撮影手法で撮影するならいいんですけどね。詳しくは「F2.8の大口径レンズだけじゃない!F4のレンズで星景写真をカッコよく撮る方法」に書いたので読んでみてくださいね。

 

星空撮影には「500のルール」があります。星が流れない露出時間の限界値として、500をレンズの焦点距離で割って算出するというものです。

 

露出時間=500 /レンズの焦点距離(フルサイズ相当)

 

この計算式をAPS-C機のレンズに当てはめて見ると以下のようになります。ここではKマウントとXマウントでまとめました。なぜかと言うと、APS-C機に力を入れているのが、PENTAX(リコーイメージング)とFUJIFILM(富士フィルム)だからです。

※ ( )はフルサイズ相当の焦点距離。

 焦点距離 露出時間 適合レンズ
 10mm
(15mm)
 33秒

SAMUYANG 10mm(F2.8)
LAOWA 12mm(F2.8)
Sigma10-20mm (F4)
DA10-17mm (F3.5)
XF10-24mm (F4)

 12mm
(18mm)
 27秒 DA12-24mm (F4)
SAMUYANG 12mm (F2)
 14mm
(21mm) 
 24秒SAMUYANG14mm (F2.8)
DA14mm (F2.8)
XF14mm (F2.8)
 16mm
(24mm)
 21秒XF16mm (F1.4)
DA15mm (F4)
 20mm
(30mm)
 17秒XF18mm (F2)
DA21mm (F3.2)

 

「500のルール」を当てはめると画角が広くなるほどシャッター速度を長くしても、星が点像として写りやすくなります。実際に算出した露出時間と実際に私が撮影した写真を照らし合わせてみます。

 

条件
・焦点距離 10mm
・F4

月明かりがあるとき:シャッター速度20秒、ISO1600だとちょうど良い感じです。
月明かりがないとき:シャッター速度30秒、ISO3200でも暗い感じになります。

 

関連記事: APS-C機で串本の星景撮影に挑戦!月をバックにつけた撮影手法

関連記事:【タイムラプス】月夜に串本の橋杭岩で撮影をした時の機材とカメラの設定

 

月明かりがなければ、開放絞りF4、10mmの超広角レンズで30秒のシャッター速度でも、明るさ的に厳しい感じです。33秒以上のシャッター時間にしてしまうと星が点像ではなく流れてしまいます。F2.8のレンズなら30秒のシャッター速度でも、F4.0で60秒の露光時間に相当した明るさを得れます。

 

例えば14mmのレンズ(フルサイズ機で21mm)の場合、星が点像として写る最大露出時間は24秒です。これをF4.0に換算にすると48秒相当の露光時間の明るさを得れることになります。

 

選択すべきレンズは14mmより広角でF2.8より明るいこと

 

自ずと選択すべきレンズが見えてきますね。天の川と風景を収めることを考慮するとフルサイズ換算で21mm以下の広角がベストです。

 

ペンタックスならSAMUYANG14mm(F2.8)、SAMUYANG10mm(F2)、LAOWA12mm(F2.8)です。その中でも評判の高いレンズがSAMYANGのSAMYANGの単焦点広角レンズ 14mm F2.8です。価格の面からも手を出しやすいレンズですね。

 

FUJIFILMならXF14mm(F2.8)またはSAMYANG12mm(F2)がです。純正を選択しようぜ、と言いたいところですが、より広角側であること、明るいこと、そして海外のレビューでも評判の高いSAMYANGの単焦点広角レンズ 12mm F2.0が第一候補になります。

 

上記をまとめるとペンタックスとFUJIFILMに絞ると少なくても5種類のレンズが星景撮影用として候補に上がりました。

 

SAMYANG 14mm F2.8

SAMYANG 10mm F2.8

LAOWA 12 mm F / 2.8

FUJIFILM XF14mmF2.8 R

SAMYANG 12mm F2.0

 

FUJIFILMにはAPS-C機用としてはダントツの明るさを誇るXF16mmF1.4 R WR(つまりFF機換算で24mm)がありますが、ちょっと広さが足りない感じがします。ちなみにXF16mmF1.4で星空の撮影検証した記事も書いていますで併せてご覧ください。

 

ISO感度で明るさを得ながらノイズを低減するならどのカメラになるか

 

これまでのAPS-C機なら1600万画素一択ですね。理由は2400万画素よりも画素ピッチが広くなるので、ISO感度を高くしてもノイズが少ないからです。

 

APS-Cセンサーに2400万画素を詰め込むと画素ピッチは3.9μmになります。一方で3600万画素のフルサイズセンサーだと画素ピッチは4.8μmとなります。この画素ピッチは1600万画素のAPS-Cセンサーと同じです。

 

つまり、画素ピッチに関して言えばこういうことです。
1600万画素のAPS-C機 = 3600万画素のフルサイズ機 = 同じ面積辺りの受光量は同じ

 

よって、1600万画素のASP-C機なら高画素機のフルサイズ機と同等のISO感度に耐えられると言えます。

 

1600万画素のカメラは

PENTAX:K-5・K-5II系
FUJIFLIM:X-T1

 

以上のことを踏まえてカメラを選択するとすればX-T1、K-5系がベストな選択になります。しかし世代が古い感も否めません。

 

APS-Cセンサー搭載のフラグシップ機であるK-3系やX-T2、X-Pro2、X-T20、X-E3は、2400万画素にアップしてきましたね。K-3系はK-5系と比較すると、高感度耐性が弱くなったとも言われています。やはりその要因は高画素化による画素ピッチのサイズダウンなんでしょう。

 

しかしながら、FUJIFILMのカメラは画素ピッチが狭くなっているのにも関わらず作例を見る限り、センサーや画像エンジンの性能向上のせいか1600万画素クラスであるX-T1と比較しても遜色がないように感じます。

 

となると、X-T2、X-Pro2、X-T20、X-E3も選択肢に入ってきます。実はこの4機種は同じセンサー(X-Trans CMOS III)、同じ画像処理エンジン(X-Processor Pro)を搭載しています。

 

FUJIFILM  X-T2

FUJIFILM  X-Pro2

FUJIFILM  X-T20

FUJIFILM  X-E3

 

2018年1月5日追記:
現在、K-3と併用してX-T2も同時に運用を開始しました。FUJIFILMのX-T2の高感度耐性には目を見張るものがあります。感覚としてはK-3のISO感度1600がX-T2では6400です。これを知ってしまうと、高感度耐性だけを目的としたフルサイズ機なんて要らないんじゃないのか、と感じております。

 

まとめると、2018年7月時点では、APS-C機としては

 

X-Trans CMOS IIIを搭載したFUJIFILMのカメラとSAMYANGの単焦点広角レンズ 12mm F2.0の組み合わせが一番ベストかなって思います。星を点像として撮影するならね。

 

それでは。


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  1. はじめまして
    samyang 12mm F2.0はsamyang 10mm F2.8と比べてもおすすめでしょうか
    現在フルサイズ換算24mmで星景写真を撮っているのですが、もう少し広角で狙ってみたいと思い購入検討中です

    • Dio様、初めまして。

      コメントありがとうございます。

      samyang 10mm F2.8 をご検討されているとのことですが、15mmの世界ですね。
      3年ほど Sigmaの10-20mm F4-5.6(APS-C)で星景写真を撮っていました。
      フルサイズ換算15mmという画角ですが、24mm相当の画角と比較すると十分な広さを実感できます。

      ただ、その広さを実感できるシーンは星景よりも日中の風景撮影が多かったですね。
      この画角は病み付きになりますよ。いい意味で。

      現在、samyang 12mm F2.0を使っていますが、18mm相当の画角でも天の川をバッチリ撮影できます。
      絞り開放からサジタルコマフレアもほとんど見られず、正に星景撮影に向いたレンズだと感じています。
      今のところ星景写真の撮影で画角の不足を感じたことはありません。

      12mm F2の利点は露光時間を短くできることです。
      私の場合ですが、天の川を撮影する際はこんな設定で撮影しています。
      ・絞り開放f/2
      ・ISO3200 or 6400
      ・露光時間13秒

      F2という明るさをF2.8のレンズと比較した場合、以下の利点があります。
      ・露光時間を半分にできる
      ・またはISO感度を半分にできる

      10mm/F2.8 で 12mm/F2 と同じ露出を得るなら
      露光時間を25秒程度まで伸ばすか、ISO感度を増やすしかありません。
      しかし、APS-CセンサーでISO感度を増感するとノイズが入ってしまいます。
      となると、露光時間で露出を得るのが現実的な選択となります。

      露光時間を長くすると星が流れてしまいます。
      計算上での話になりますが、10mm/F2.8で25秒の露光時間であれば
      星は点像として撮影できる範囲内に収まると考えられます。

      よって、どちらのレンズを選択しても星景撮影に困ることはないと思います。
      肝となるのは換算15mmか、18mmか、ということになるかと思います。

      最後にですが、私自身は12mm F2を推します。

      Samyangは海外でRokinonブランドで出ているものですが、特に星景写真についての評判はいいですよ。

      FUJFILM Xマウント
      https://www.bhphotovideo.com/c/product/1039949-REG/rokinon_rk12m_fx_12mm_f_2_0_ncs_cs.html#customerReview

      SONY Eマウント
      https://www.bhphotovideo.com/c/product/1039948-REG/rokinon_rk12m_e_12mm_f_2_0_ncs_cs.html#customerReview

      それでは。