10月の前半に2泊3日で北又から朝日岳を経由して栂海新道を歩いてきました。
週末にかかったとは言えど混雑とは無縁の世界。
とても快適な山旅を堪能できました。
静かに景色を楽しみながら山旅をしたい人にはとてもおすすめしたいですね。
もくじ
前泊
週末から1日前倒しで親不知観光ホテル前にある糸魚川市無料駐車場に入り車中泊をしました。
駐車場にはトイレが併設されています。
国道8号沿いなので大型トラックの走行音が気になるのかなと思ってましたがいつの間にか寝ていました。
シェラフをザックから出すのは面倒だったのでエアー枕だけ出してマットの上に寝転がりました。
マットは幅100cm×長さ180cmの極厚15mmマットを車内に敷いています。
その上から毛布を被って朝を迎えました。
DAY1
親不知観光ホテル前 5:30 → 北又小屋 6:30(タクシーで移動)
北又小屋 6:50 → 朝日小屋 12:00(登山)
北又へ
黒東(こくとう)タクシーに登山の1週間前に5時半に親不知観光ホテル前でピックアップしてもらえるよう予約を入れていた。
さすがに10月に入ると朝5時半でも真っ暗だ。
親不知観光ホテル前から北又小屋までの運賃は14000円。
更にタクシーを利用した北又林道の通行に対して、朝日町より利用者1人に付き、1000円の助成金が出る。
今回は2人なので2000円の助成金が出て支払った金額は12000円だった(2021年10月時点で)。
助成金による補助は平成25年からやっている模様。
財源がなくなったら打ち切りになるんだろうな。
助成金の申請書。
移動中のタクシー車内で記入した。
国道8号から富山県道45号黒部朝日公園線に入り小川温泉を通過する。
一般車が入れるのはここまで。
先の北又林道はタクシーしか乗り入れができない。
北又小屋には親不知から1時間で到着た。
一般車も乗り入れしているけど関係者の車かな。
北又小屋にはトイレが併設されている。
バケツに汲んである水を使って自分で流す方式だ。
水は外で汲める。
朝日小屋へ
6:50に登山を開始。
北又ダムの脇を通過する。
イブリ坂を登って行く。
ブナの原生林が広がっている。
イブリ山の1合目。
標高が低いので夏は灼熱地獄と化しそう。
実際にこの日も10月だというに汗が滴り落ちるほど蒸し暑かった。
この標高帯ではまだ紅葉には早い。
が、目を上に向けて見ると紅葉の気配を感じる。
富山県朝日町。
この日の天気は基本的に曇りがち。
初日の関しては雨が降るという前提で行動していたけど結局降られずに済んだ。
時折、日が差したりして。
という具合に樹林帯を登って行く。
標高1300mの5合目(ブナ平)には水場があるが、今回は十分な水分を持ち歩いてたのでパスした。
標高1500mに到達。
しかしまだ樹林帯の中であることには変わりない。
こんな感じ。
10時頃、イブリ山のピークに到達。
標高約1800m。
サラッと書いているけどここに来るまでの3時間はひたすら単調な樹林帯を汗だくで登ってきた。
10月なら歩きやすい気候のはずだが、とにかくこの日は蒸し暑かったのだ。
イブリ山を過ぎるとちょっとした鎖場が出てくるけど危なくない。
北又小屋から朝日平までは全体として歩きやすくコースもよく整備されている。
イブリ山を眺める。
秋って感じ。
次第に樹林帯を抜け展望が開けるようになってくると草紅葉が目立ってきた。
毎年秋になると赤い実を見ているのに飽きない。
コバイケイソウが枯れた姿。
雰囲気がある。
今年2021年はコバイケソウの当たり年だった。
朝日平とイブリ山の中間地点。
誰もいない登山道。
こんなにガラガラでいいんですか?
山肌の紅葉もいい感じだ。
夕日ヶ原の辺り。
何よりも驚いたのが無数に残っていたチングルマの綿毛姿。
まさにチングルマの王国と言ってもいいほど。
こんなにチングルマが豊富ならわざわざ人が混むムーミン谷まで行かなくてもいいんじゃない?と思ったほど。
北又からのコースは話題にすら上がらない場所だけど、ムーミン谷に匹敵するポテンシャルがあると感じた。
アクセスが面倒だということ、行く人の母数が圧倒的に少ないというだけの話。
こんなに素晴らしい景色が広がっているのに人は皆無!
ちょっとした池塘があるとことまで来ると朝日小屋は目と鼻の先だ。
この日はとても静かな山歩きができた。
追い抜いた1パーティと下山者(というより山小屋の歩荷の人)以外、誰とも合わなかったのだ。
想像してみて欲しい。
人でごった返す登山道を。
登山道のど真ん中でGoProを出して自撮りをしている人のせいで前に進めない状況、狭い登山道でのすれ違いetc…。
こんなストレスが全くなかったのだ。
なぜ余暇に人混みの中に行かなければならないのか!
好きなペースで歩き、好きなところで好きなアングルから写真を撮り、ゆったりと景色を堪能する。
これが本来あるべき姿なのだ。
12時少し前、朝日平に到着。
今年2021年は2回目(1回目の記事はこちら)となる。
1泊目は小屋に泊まることにした。
特にやることはなくノンビリと過ごすことにした。
翌日から歩く栂海新道。
少し朝日小屋の宿泊システムについて触れておく。
今年2021年は完全予約制になった。
前金の2000円を指定口座へ入金するまでは予約完了ではなく「仮予約」となる。
予約が完了したら当日、差額の宿泊代金を支払う形となった。
天候不順などで予約をキャンセルする場合、当日でも可能だが予約金の2000円は戻ってこない。
小屋もリスク回避のために予約金システムを採用しているんだろうなと思う。
また、2021年より朝食がなくなり1泊夕食付きで12000円になった。
正直、以前よりも割高感がある。
コロナ禍による山小屋の減収、輸送手段の価格値上げ等でこの流れは変わらないだろうな。
夕食後にお握りや炊き込みご飯を販売してくれる。
今回は2人分で合計6個のお握り(こむすび)を購入し朝食兼行動食とした。
DAY2
朝日小屋 4:50 → 栂海山荘 12:50
詳細
・朝日小屋 4:50
・吹上げのコル 6:20
・照葉ノ池 6:50
・アヤメ平 7:40
・黒岩平 8:30(20分休憩)
・黒岩山 9:40
・サワガニ山 11:10
・北又の水 11:50
・犬ヶ岳 12:40
・栂海山荘 12:50
吹上のコルへ
2日目は栂海新道のハイライトとなるコースを歩く日だ。
コースタイムが長いので4:50に出発をした。
5:40頃、ガスガスの朝日岳山頂へ。
コバイケイソウの亡骸。
朝日岳から吹上げのコルへ向かって標高を下げていく。
前方のガスが掛かった山が「五輪山」だ。
栂海新道を歩いている間、背に向けて常時見えている山でもある。
五輪山の付け根をアップで撮影。
単焦点レンズで行きたいと思っていたけど、こういう時にズームレンズがあると役立つ。
今回は美味しい画角をカバーしているXF16-80mmF4 R OIS WRを持って行った。
吹上げのコル。
ここから栂海新道が始まる。
蓮華温泉からの登山道が交差するポイントでもある。
吹上のコルより朝日町の方を眺める。
曇りがち。
後ろを振り返って朝日岳を見る。
再び朝日町方面を撮影。
照葉ノ池へ
栂海新道へ入っていく。
最初は原生林の森が続く。
木道もよく整備されている。
後ろを振り返って朝日岳を見る。
吹上のコルから20分ほど歩くと照葉ノ池に着く。
照葉ノ池越しに朝日岳と白馬連峰が見える。
アヤメ平 へ
よく整備された道を進んでくと次第に右手に五輪山が見えてくる。
山の向こう側は五輪の森がある。
長栂山の辺りから振り返って見た朝日岳。
前方には滝雲が掛かっている黒岩山から犬ヶ岳にかけての山域が見える。
この日の後半戦で歩く。
アヤメ平へ下る手前にいた雷鳥。
認識できただけで6羽いた。
標準ズームレンズだとこれ以上大きく撮れないがジレンマだ。
五輪尾根を背にアヤメ平が眼下に広がる。
アヤメ平まで下ってきて見た五輪山。
黒岩山から犬ヶ岳への稜線。
相変わらず滝雲が掛かっている。
後ろを振り返って長栂山方面。
アヤメ平。
黒岩平へ
アヤメ平を過ぎると黒岩平が見えてきた。
絵に描いたような景色だ。
そして我々以外の登山者は誰もいない。
更に先に進みXF16-80mmで稜線をアップで撮影。
稜線の向こうに見える山が犬ヶ岳でそこから少し向こう側に下ったところに栂海山荘がある。
歩く。
これが黒岩平だ。
繰り返しになるが、こんなにいい景色が広がっているのに登山者は皆無だ。
黒岩平の看板。
クリ抜きなら雨風に晒されて文字が消えることがない。
よく考えられているね。
黒岩平の手前には小川が流れており水が調達できる。
今回は朝日小屋で調達した水が余っていたのでここではスルーした。
時折、青空も姿を現す。
ここのアクセスが楽だったら涸沢や雨飾山のように人でごった返すだろう。
栂海新道を下りルートで歩くためにはスタート地点である朝日岳に行かなければならない。
体力的にも時間的にもクリアすべき壁のレベルが少し高い。
そんな背景事情もあり人でごった返すことはない。
おかげでトレイルを好きなペースで歩き、好きな場所で好きなように写真を撮れる。
黒岩平越しに振り返る長栂山方面。
だーれもいない。
いよいよ展望が開けた地形の終盤に差し掛かる。
黒岩山で国道148号沿いにある小滝駅へ向かう中俣新道、そして日本海へ向かう栂海新道の核心部へと登山道が分岐する。
サワガニ山 へ
黒岩山から先は、サワガニ山、犬ヶ岳へと続く稜線歩きとなる。
黒岩山から眺めた黒岩平と朝日岳。
圧巻だ。
秘境感タップリの世界。
動画でもどうぞ。
黒岩平のためだけに栂海新道を歩く価値は十分にあるなと感じた。
次回は夏に黒岩平界隈をゆっくり歩きたいな。
しばらくはハイキングコース的な雰囲気のトレイルを歩く。
後ろには黒岩平と朝日岳が見える。
文子ノ池が近い。
雪の重みで看板が倒れたのか、それとも意図的に倒しているのか…。
文子ノ池越しに見る朝日岳。
さぞかし雪が豊富だったのだろう。
夏にはチングルマが盛大に咲き乱れていた世界を想像してしまう。
これでマイルドなコースとはお別れ。
犬ヶ岳を目指す。
幾つものアップダウンがある稜線を越えていく。
たまには足元も見てパシャリ。
地形が一気に荒々しくなる。
単調と言えば単調なアップダウンを繰り返し11時頃、サワガニ山を通過する。
犬ヶ岳へ
基本的に痩せ尾根が多い。
しかし木々が生い茂っているため高度感はない。
山深い。
まだまだ続く痩せ尾根の稜線。
サワガニ山から犬ヶ岳の崩落箇所。
この先はスパッと切れ落ちている。
なので迂回路を歩く。
整備してくれた方々に感謝をします。
迂回路を抜け後ろを振り返る。
稜線、稜線、稜線続きだ。
前方には犬ヶ岳が近づいてきた。
秋だねぇ。
栂海山荘へ行く前に北又の水を入手していく。
小屋では入手できないからね。
合計で6L調達した。
こんな時にMSRのドロメダリーバッグが重宝する。
とにかく生地が丈夫で雑に扱っても壊れないのだ。
妻に1Lのナロゲンボトルを一つ持ってもらい、残りの5Lは自分が持った。
最後の最後で5kg重くなった荷物を背負って振り返った景色。
と思いきや、まだ犬ヶ岳まで登り返しがある。
暑い暑いと言いながら登る。
犬ヶ岳のピーク。
到着。
歩いてきた稜線を振り返る。
いかにアップダウンが多いかお分かり頂けると思う。
栂海山荘
栂海山荘が見えた。
こじんまりとした雰囲気だ。
かわいいな。
水桶にはオタマジャクシがいる。
なので、絶対に北又の水場で水の調達は必要だ。
中の様子。
こちらは2階。
テント泊で予約をして行ったけど管理人さん曰く小屋も自由に使っていいとのと返事を頂いていた。
(基本的に無人)
<参考>:栂海山荘のページ
が、やはり外の方がいいのでローカスギアのテントを張った。
今回はインナーは持ってきておらずシェルターだけ張ってマットを敷いて寝た。
下界で食べたら不味いやつ。
山でしか食まえせん。
ドロメダリーバッグのおかげで水を躊躇なく使える。
縦走をやる人は持っておいて損はない。
晴れそうになったり。
が基本的に雲は多め。
黒岩方面へ続く稜線。
白鳥山をズームでアップ。
翌日はあそこを通過する。
糸魚川の青海黒姫山。
白鳥山を広角側で。
地味にアップダウンが多そうだね。
少し早いが夕食にする。
乾燥野菜でビタミン類を。
高野豆腐でたんぱく質を摂る。
鍋に入れて煮る。
キムチのポーションを入れる。
煮る。
この鍋に白米のアルファ米を入れて雑炊として食べた。
飛び抜けて美味しいというわけではないが食べられる。
こうして特に何もすることなく寝に入った。
DAY3
栂海山荘 5:20 → 親不知観光ホテル前 13:10
詳細
・栂海山荘 5:20
・黄蓮の水場分岐 6:30
・吹上げのコル 6:20
・下駒ヶ岳 7:20
・白鳥山 8:20
・坂田峠 10:30
・二本松峠 12:00
・親不知観光ホテル前 13:10
・日本海タッチ 13:30
白鳥山へ
最終日もコースタイムで9時間と長い道のりになるので5:20に出発をした。
青海黒姫山と糸川市の明かりが見える。
何気に海まで遠いのが分かる。
真っ赤に染まり出した空を右手に縦走を開始した。
白鳥山へ向かう登山道は急な地形なので真っ暗いうちは気をつけた方がいいなと感じた。
みるみるうちに明るくなってきた。
後ろを振り返ると栂海山荘が見える。
初雪山。
残雪期に登りたい山の一つ。
標高1200m〜1300mだとまだ紅葉には早いが色付いている葉っぱもあった。
ブナ林。
黄蓮の水場。
前日に6L調達した水の余りがあったのでここにはスルーした。
栂海山荘が次第に遠くなってきた。
下駒ヶ岳への登り返し。
荷物が重いと面倒な地形。
下駒ヶ岳へ到着。
栂海山荘から白鳥山へ行くコースで一番面倒な地形だった。
白鳥山が見える。
まだ地味に遠い。
後ろを振り返る。
犬ヶ岳がだいぶ遠くなった。
糸魚川市。
海が近くなったように感じるけどまだ遠い。
再び標高を下げ登り返して白鳥山荘に到着。
栂海山荘から丁度3時間掛かった。
糸魚川市。
ズームで引き寄せる。
糸魚川市の手前に見える大きな山は青海黒姫山。
歩いてきた稜線をアップで撮影。
遠くに朝日岳、黒岩平、中央には犬ヶ岳から白鳥山へ続く山肌が見える。
白鳥山〜犬ヶ岳の様子が糸魚川市観光協会の動画で紹介されている。
撮影された時期も10月なので参考になるのでは。
坂田峠へ
坂田峠へ向かう。
日本海が近くなってきた。
途中にシキ割の水場がある。
手持ちの水がかなり減っていたが、ここでも水を調達せずスルーした。
理由は動物のし尿が水に混じっている可能性を考慮したためだ。
標高も低くなり樹林帯も多く獣が住みやすい環境となっているので動物のし尿が入り混じる可能性だって否定できない。
坂田峠へ出た。
実はここからが地味に長い。
尻高山、入道山を登り返して行かなければならないのだ。
いいね、この看板。
日本海へ
麓に海が見える。
坂田峠から尻高山は広葉樹の雑木林を歩く。
よく整備はされているが特に見所はない。
公道(林道橋立上路線)を渡る。
階段が尻高山から下ってきたコース。
道路脇にあった看板。
これもくり抜き式。
二本松峠へ向かうコースに入ると杉の木が多くなる。
二本松峠の標高は約370mだ。
尻高山からは300m標高を下げてきた形となる。
二本松峠を通過したら再び入道山まで登り返す。
普段ならなんてことない標高差だけど疲れた体には地味にキツい。
時計では調整を忘れて標高449mを指しているが入道山の実際の標高は415mだ。
夏のような暑さだったなぁ。
もう10月だというのに蝉が鳴いていた…。
動画をどうぞ。
鉄塔が出てきた。
そろそろゴールも近い。
海が近い。
ひたすら下る。
足元に道路が見え始め忽然と親不知観光ホテルが姿を現す。
坂田峠からはそれほど展望もなく特にこれと言った見所もない。
ぶっちゃけ「まだ続くのかよ」と思わせる区間だ。
そうは思うもののアッサリと終わりを告げてしまった。
栂海山荘から7時間50分、坂田峠からは2時間40分で親不知観光ホテルへ到着した。
坂田峠からは精神的に長かったなぁ。
(個人差があるので注意。通常は9時間程度掛かります)
観光ホテル前の自販機でジュースを買って水分を補給し車にザックを置いてから海まで行った。
標高差で更に80m下るのが地味に辛かったなぁ。
こうして栂海新道の旅が終わった。
いい景色が見られる山はそれなりに行っているけど実は心にそれほど残らないことも少なくない。
そんな中でも栂海新道は間違いなく心に刻み込まれた山旅だった。
親不知〜白鳥山の区間も糸魚川観光協会の動画で紹介されている。
こちらも10月の撮影なので参考になる。
気候
10月にしては異例の暑さでした。
なにしろ下界では連日のように最高気温が25℃を超えてましたから。
初日の登りでは曇りがちの天気でした。
しかし10月だからと言って肌寒いということはなく、森林限界を抜けるまでは梅雨時の登山のように蒸し暑く汗が滴り落ちるほどの登山でした。
中日は森林限界より上の縦走がメインの日だったので快適に歩けました。
最終日は快晴となり標高を下げるにつれ、うだるような暑さでヘロヘロになりました。
夏のような暑さのうえ、下りとは言えど細かなアップダウンの繰り返しで体力が削られました。
晩秋の山歩きの装備を持ち歩きましたが、結果的には夏山装備で大丈夫だったということです。
しかし、今回は例外なのでやはり備えあれば憂いなしですね。
この山行の2週間後、再び白鳥山に訪れました。
冬型の気候が入り栂海新道越しに見えた黒岩平や朝日岳は真っ白な雪景色に覆われていました。
10月という季節は気候が乱高下するんだなと改めて思いました。
装備
私は85Lのザック、妻は38Lのザックで歩きました。
理由は体力差による負荷の均衡化をるためです。
荷物は軽い方が景色を見るゆとりがあります。
今回は1日の行動時間が長かったうえ、途中でエスケープルートもありません。
そのため妻の背負う荷物の重量を極力減らすスタイルで行きました。
私の荷物は18kgでした(妻の荷物は8kg)。
ザックの容量は荷物に対してゆとりがあります。
妻の荷物、調理器具やらカメラも入れての重量ですので軽量化はできていると思います。
本当に持って行く時は24kg前後になりますから。
今回は軽量化を兼ねてカメラを1台、レンズを1つに絞り、ミニ三脚すら置いていきました。
初日は朝日小屋へ宿泊し食料を少な目にしました。
テントは使わない可能性も含めシェルターだけとしました。
参考のために私が持ち歩いた荷物を書いておきます。
- Osprayイーサープラス85
- マット(サーマレストのリッジレスト ソーライト)
- テント(ローカスギア・クフのシェルター、グランドシート、ペグ)
- シェラフ×2(モンベル ダウンハガー#3)
- カメラ(X-T3、XF16-80mm)
- スマホ、フィーチャーフォン
- ヘッドライト
- モバイルバッテリー
- 調理器具
- 食料
- 衣類、雨具、手袋、帽子、サングラスなど
- トイレットペーパー、カットバン、ウェットティッシュなど
荷物について少し補足します。
登山の中でも荷物の重量の増減がダイレクトに影響するのがカメラ機材になります。
今回はFUJIFILM X-T3と併せてXF16-80mmF4 R OIS WR(関連記事)の1本で行きました。
曇りがちのシチュエーションでも手振れ補正の恩恵を受けたなと思います。
妻はX-T3とXF23mmF2の組み合わせで。
1日に行動する時間が長いので軽量化も兼ねて単焦点レンズ1本で行動。
予備バッテリーは2個のみ。
基本的にはカメラ本体にType-Cケーブルを接続し大容量のモバイルバッテリー(Anker PowerCore Essential 20000 )使って充電して対応しました。
水の調達について
今回の山行で水が調達できると確認できた場所です。
- イブリ山の5合目
- 朝日小屋
- 黒岩平の小川
- 北又
- 黄蓮の水場
- シキ割の水場
結局、この中で水を調達したのは朝日小屋、北又の2か所だけでした。
一度に水を多めに調達していたので小まめに補給せずに済んだということと、シキ割の水場を避けたというのが理由です。
必要な体力
まずは朝日小屋へ食料や水を持って歩ける体力が必要です。
蓮華温泉からなら9時間以内、北又からなら7時間以内で歩ける体力がないと栂海新道の縦走は厳しいかなと思います。
栂海新道に入るとエスケープルートがないため、通常よりも遅めのペースでしか歩けない体力だとリスクがあるからです。
中でも肝となる区間が朝日小屋から栂海山荘の区間です。
通常でも8時間は掛かるロングコースです。
特に黒岩平から犬ヶ岳はアップダウンが続く稜線歩きになります。
ここに入り込んだらもう後戻りはできなくなります。
体力の有無がダイレクトに響いてくる場所ですから基礎体力が必要です。
いきなり栂海新道を歩くのが心配な方は、手始めに朝日小屋を目指して1泊2日の登山に挑戦してみるといいかもしれませんね。
下記の記事は蓮華温泉から朝日小屋までの区間について書いています。
雰囲気だけでも掴めると思いますので是非読んでみて下さいね。
それでは。