単焦点が好みですがFUJIFILMの5倍標準ズーム「XF16-80mmF4 R OIS WR」を導入しました。
「利便性が欲しい時がある」という問題を解決するためです。
この記事では
- なぜ、標準ズームの必要性をそれほど感じてなかったのに導入したのか
- XF16-55mmF2.8 R LM WRと迷わなかったのか
- 二分している評価についてどう判断をして購入に至ったのか
について書きます。
(使ってみての感想はまた改めて書きますが、作例は少しあり)
もくじ
標準ズームを手放してから戻るまでの経緯
2年前の2018年秋、ペンタックスの便利ズームDA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WRを手放しました。
DA 16-85mmは3シーズンに渡り登山やちょっとした旅行先で使ってきました。
描写力も良く大変、お世話になったレンズでしたね。
しかし、FUJIFILMの導入をきっかけに単焦点を使うようになってからはDA16-85mmを使う頻度が減り手放すことを決めたのです。
あれから2年。
時折、妻のメイン機であるLUMIX GX8とZUIKO12-40mm Proを使うことはあっても単焦点レンズ(※)を使った撮影を多くこなしてきました。
そして大抵の場合は単焦点レンズだけで撮影をこなせる自信があります。
しかし、標準ズーム域での利便性の必要性を痛感することもあるんですよね。
それはどんな時かというとカメラ1台で運用をしている時です。
(※)
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS
XF16mmF1.4 R WR
XF23mmF2 R WR
XF50mmF2 R WR
XF90mmF2 R LM WR
XF16-80mmに目を向けたキッカケ
XF16-80mmの情報が出始めた頃は非常に興味を持っていたものの世にリリースされる少し前にサンプル画像を見てて「うーん」となったんですよね。
以下、呟いた内容です。
まだXF16-80mmが発売される前の2019年9月4日に溢した言葉です。
むむ。30枚ほどDLして見てみたけど前使ってたDA16-85の方がシャープなような….。
— Drasworld🌎 (@DrasworldCom) September 4, 2019
気のせいかしら?
その実際のサンプル画像はこちら(←リンク先は少し重いです)。
サンプル画像を見た時もペンタックスの「DA16-85mm F3.5-5.6」の方が解像度高くない?なんて感じてたんですよね。
(あくまでも数少ないサンプルから受けた印象)
そして欲しい熱が急降下。
それに我が家には、ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROという素晴らしいレンズがあるのですから。
12-40mmProは凄いんですよ。
近接撮影もでき、解像度も高く、防塵防滴、ちょっと便利な24-80mm相当の画角を兼ね備えて、APS-C機の標準ズームで撮った写真に匹敵し、場合によってはその上を行くこともあるのではないかと感じさせるんですから。
(このレンズ、普段は妻が使ってます)
そんな状況でしたからFUJIFILM機では「標準ズームレンズは不要だ」という立場を取ってきました。
そもそも標準ズームを使うという頭がなく単焦点レンズと広角ズーム(冬季は望遠ズームも)があればいいと考えておりました。
お出かけ用のレンズ構成計画を立てる時も…
- 今回は、10-24mm、23mm、90mmがあればいい
- ここに行くとしたら、10-24mm、16mm、50mmがいい
- あそこを歩くなら、16mm、23mm、55-200mmがいいな
という具合に。
しかし、こう感じることもあったのです。
「うーん、ここは便利なズームが欲しいな」と。
2018年の秋以降、覚えている限りで最初にそう思ったのは、2019年のラダックのトレッキングでした。
- 遠くの山肌(ストクカングリ山)を切り取りたい
- マーモットがいる…でも焦点距離が足りない
しかし、そう思ったのは1年も前の話。
以来、それほど標準ズームを切望するほどでもなかったんですね。
再びこの気持ちが芽生えたのは、今年2020年の夏に北アルプス最深部を縦走した時です。
天気が不安定で雨にやれることも多く、6日間の登山行程の5日間はレインウェアを着用して行動するという状況でした。
この山行では、XF10-24mm、XF16mmF1.4、XF50mmF2の3本のレンズ、それからX-T2、X-T3の2台のカメラを持って行きました。
縦走最中はX-T2にXF10-24mmか、XF16mmF1.4を付けて歩いてましたね。
実際にその2本のレンズ(換算15-36mm)まであれば80%以上のシーンで対応できていたのです。
ぶっちゃけ、晴れの日に稜線の上を縦走するだけならXF10-24mmがあれば撮影に困ることはありません。
しかし、前述したように雨がちの天気だったので、広角ズームではなく必然的に防塵防滴仕様(WR仕様)のXF16mmF1.4 R WRに頼ることも少なくありませんでした。
そう…2019年のラダックのトレッキング最終日の雨→雪にやられた天気のように…。
このブログでも散々書いてきましたが、XF16mmF1.4 R WRは画角こそ不自由ですが、多様な表現ができることから多くのシチュエーション(景色、スナップ、人物、花、森の中、山小屋、星)で撮影対応できます。
描写力が素晴らしいです。
使っていて気分がいいです。
だから積極的に使おうという気になります。
極論を言えば、XF16mmF1.4の1本を持っているだけで、無雪期の登山の大半は楽しめると言っても過言ではありません。
しかし…
「時折見える山肌をレンズ交換せずに切り取りたい!」
という気持ちに応えてくれることはありません。
中望遠レンズを付けたカメラがもう1台必要なんです。
晴れていればそれで問題ありません。
寧ろそうしたい(縦走最中は同時に2台使うシーンはあまりないけど)。
でも雨が降っていると2台カメラを出して使うのはリスクなんです。
物理的な管理上の問題から注意力が散漫になってしまう可能性、雨の中で2台を使いまわす煩わしさetc。
登山をやり込んでいる人なら誰もが一度は体験している現象があります。
それは劇的な風景とのご対面。
雨が降っていても小降りになり天気の変わり目になってくると劇的な風景が現れることがありますよね。
劇的な瞬間を切り取りたい時って単焦点1本では歯が立たない!
こういう時こそドラマチックな風景をピンポイントで引き寄せて撮りたい!
それも即座に!
でもレンズ交換ができない(小雨で)!
もう1台カメラを出すのが面倒(レインカバーをかけたザックに入れてるし)!
ここで思ったんですよ。
今使っているボディ(FUJIFILM)用に防塵防滴で即座に画角が調整できるレンズがあればな…と。
心の底から切望の声が聞こえてきた瞬間でもあります。
こんな経緯がありFUJIFILMの標準ズームレンズに目を向けるようになります。
XF16-55mmと迷わせる数多の情報
よく言われていることですが、XF16-55mmF2.8 R LM WRは
- 単焦点並みの写り
- 悪条件に強い(逆光など)
と誰もが口を揃えて言ってますね(レビューなど)。
しかし…
- でかくて重い(APS-C機の中では)
- 手ぶれ補正がない
という欠点があることも認めています。
そのため、軽くて、便利な焦点距離を備えていて、手振れ補正(OIS)付きのXF16-80mmF4 R OIS WRへの入れ替え、または新規導入と迷う方も少なくないです。
はい、私も同じ理由で迷いました。
(以前に一度、XF16-55mmを特定条件のみ実写して試していますが)
でも心の奥底では…
単焦点レンズ(※)が5本もあるから別に要らないかな…
という微かな声も聞こえてきていたのは認識していたのです。
(※)
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS
XF16mmF1.4 R WR
XF23mmF2 R WR
XF50mmF2 R WR
XF90mmF2 R LM WR
それなら便利なXF16-80mmF4 R OIS WRの方がいいのではないかと。
とは言っても迷わせる要素があリました。
XF16-80mmのレビュー(海外のフォーラムなど)は評価が二分しているんですよね。
一番多く言われていたのが特に16mm側の周辺解像度が悪いというものです。
そんな中でも高評価な情報もあるんですよね。シャープだ、そんな言われているほど悪くないと。
私としては「一体、何が正しいのだろうか?」と思うわけですよ。
決め手となった情報
決め手となったのがMatthew Storer氏が発信している情報です。
YouTuberが発信している情報は、いい点を強調する印象があります。
中には「なんか怪しいな」と感じることもあります。
特に幾つものブランド製品をやたらとレビューしていても、実際に想定される撮影シーンでの情報を発信できてない人は信用しませんね。
そんな中でもMatthew Storer氏は、誠実な情報出しをしているなと感じています。
また、ブログ記事も書いています。
今回は彼の記事からXF16-55mmとXF16-80mmで撮影されたRAWファイルとJPEGファイルを入手しました(要名前とメルアドの提供)。
以下、実際に入手したファイルを開いた様子。
EXIF情報も開示してますので本当の情報を得ることができます。
今回はこの中のRAWファイルをベースに現像ソフトCapture One Express 12を使いディテイルを把握しやすい露出へ調整し解像度の比較を行いました。
確かに16mm側に関しては、等倍表示や200%まで拡大するとXF16-55mmよりもボヤッとした感じの解像度になることが判別できるのですが….
ぶっちゃけ、パッと見でよーく見ないと分からないかな。
(それでもイヤならRAWでシャープニングをかけると改善される)
他の焦点域(35mmや55mm)だとf/8まで絞っていればXF16-55mmもXF16-80mmも同等と言ってもいいくらいです。
これなら手を出してもいいだろう、と背中を押されたのは間違いありません(標準ズームにf/2.8通しは求めてないし)。
更にもう一つ後押しされた情報がフォーラムの投稿だったんですね。
XF16-80mmの購入を検討しているけど、批評されている情報を見た。
このレンズに対してどなたかいい印象を持っている人はいないか?
という問いに対するレス。
Here are some of my posts about the lens, all with samples where you can check IQ and IS (check shutter speed in some of them). For sure check the last one from Tinos and the other one from Papigo!
引用:https://www.dpreview.com/forums/post/64210705
What I’d like to know is whether there are Forum members who have been generally pleased with this lens. If so, I’d like to hear what you’ve liked about it and what kind of shooting you’ve used it for. I’d particularly like to hear about your experience if it exceeded the expectations you had before obtaining it. Posting some shots would also be interesting.
その中のレスで紹介されている写真を等倍表示で見た時、「そんな悪くないじゃん」というのを感じたんですよ。
そのリンク(DPReview内投稿)がこれ。
https://www.dpreview.com/forums/post/64095571
そういう情報を参考にして結果的にXF16-80mmF4 R OIS WRという便利ズームを手にしたというわけです。
(ファーストインプレッション的なYouTube情報は信じてない)
72mmの保護プロテクターも買いました。
幾つか撮影した写真(まだ本格運用前)
XF16-80mmを使う前に最新版のファームウエアVer.1.05(2020年6月30日にリリース)を適用しています。
そのうえで試し撮りした写真です。
手持ち撮影、JPEG撮って出しです。
57mmで。
16mmで。
80mmで。
16mmで。
16mmで。
26mmで。
今回の記事は以上となります。
どの場面でXF16-80mmの実力を発揮できるのかをしっかりと見極めていきますよーっ!
それでは。