世の中には色々なワークアウトの種目がありますが、実用的観点であまり役立たない動作もあります。
そんな中、自身の目的を明確にせず、ただ闇雲にワークアウトを継続するのは時間を無駄にしてしまいますよね。
(※当記事は2018年8月に公開したものを更新したものになります)
ワークアウトをやる目的は以下に集約されるのではないでしょうか。
- 個々の筋肉を発達させて筋肉美(ボディビル/フィジークなど)を求める
- BIG3の最大挙上重量の向上(パワーリフティング)
- 床のバーベルを頭上に上げる最大挙上重量の向上(ウェイトリフティング)
- 競技力の向上(格闘技、腕相撲、その他スポーツ全般)
- 実用能力の向上
私は実用性の向上を目指してワークアウトをやっています。
上腕の形や太さがどうだとかいうのは二の次です。
ただ、ワークアウトをやっていると結果的には鍛える習慣がない人間と比べると腕や肩、胸囲などが大きくなっています。
あくまでも意識的には筋肉のサイズに対する優先順位は高くないってことです。
もくじ
実用性を求めると5つのワークアウト種目に集約される
さて、これまでに色々な種類のワークアウトをやってきましたが、突き詰めると5つの種目に集約できることが分かりました。
これまでのブログにも書いてきた通りです。
つまり、ジムに行かなくても十分に代替えができる種目ですね。
それは以下の5つ。
- 懸垂
- ディップス
- 頭上に押す動作(逆立ち腕立て/オーバヘッドプレス)
- スクワット動作(ブルガリアンSQ/片足SQ/バーベルSQ)
- 背筋を反らせる動作(ブリッジ/ケトルベルスイング/デッドリフト )
当然ですが、懸垂・ディップス・片足スクワット(またはブルガリアンスクワット)は自重だけでは負荷不足になりますので、ケトルベルやダンベルの加重も併用します。
また、引く動作にはプル系とローイング系の動作がありますが、懸垂の動作にバリエーションを加えることでローイング系動作を得ることも可能です。
バーベルがある環境ならバーベルスクワットやデッドリフトをやるのが手っ取り早いですね。
しかし、頻繁にジムへ行かないスタンスなら片足スクワット、ブリッジ、ケトルベルスイングで十分に代用できますので私はこの手法を採用しています。
上記5つの種目は自重系ワークアウトについて書かれたプリズナートレーニングでも紹介されていますが、別に真似たわけじゃありません。
色々とやって突き詰めたら5つのワークアウトに集約できるってことが体感的に感じていることです。
これって単に本を読んだだけじゃ(ちなみ私はペラペラと立ち読みしました)分からなくて、基本的なウェイトや自重を用いたワークアウトの両方をきちんとやってきてたうえで、動作の仕組みを体で理解しないと知り得ることはないと思っています。
上記に挙げた5種類のワークアウトを基本とし、最近では4週間に一度にジムで
- ベンチプレス(どちらかというと筋力チェック)
- デッドリフト (純粋にワークアウト)
をやればウェイトを扱っているのと同等の筋力を維持できるということが分かっています。
ベンチプレスに関してはトレーニング目的ではなく単なる筋力チェックが目的です。
ですので実質は脊柱起立筋を鍛えるためだけに、ジムへデッドリフトをやりに行く感じです。
実用性とは何か?
実用性とは何でしょうか?
広く解釈できてしまう言葉ですね。
ここでは私なりに定義してみます。
私が定義する実用性
『骨格に見合った体重の範囲内で、より高い筋力を発揮し、如何なる環境下でもある一定以上の筋力を出力し持続できる能力』のことを指しています。
したがって、一発挙上をする筋力があったとしても、持続力がなければ実用性がない体に等しいと考えております。
極端な例え話をします。
A:最大値が100あるが、70の力で5という時間単位しか運動を持続できない
B:最大値が90の力しかないけど、70の力で20という時間単位で持続できる
この場合、Bの人間の方が遥かに実用性が高く強いという定義です。
よって、私のワークアウトスタイルは、ミドルパワーでの回数を重ねることことで最大値の底上げをするという考え方でやっています。
怪我のリスクが減りますし、持続的能力も身につくからです。
「一定以上の筋力を持続し続ける = 特定部位の筋肉だけを使い続けることはない = 必ず複数の筋肉が連動する」という考えに沿って特定の動作だけではなく、複合動作に主眼を置いています。
よって、特定のワークアウトだけに依存することはありません。
必ず似た筋肉を使う代替え種目を持っています。
高重量・高負荷だけに拘りません。
複数のパターンを組み合わせます。
実用性を感じないワークアウト1:アームカール
上腕二頭筋(力こぶ)を作るためにアームカールをやる人って多いと思います。
私も一時期はケトルベルにタオルを巻いて片手アームカールをやっていました。あるいはジムでバーベルアームカールをやったりもしました。
しかし、やめました。
役立たないからです。
カールをやり込んでいる人は、力こぶの形がカッコよくなるかもしれません。
じゃあ、その筋肉が引越し屋さんのように家具を運ぶのに役立つのか、と問われると疑問に思います。
力こぶが使えるシーンはせいぜい荷物を持ち上げる時くらいです。
実生活では上腕二頭筋だけピンポイントで効かせる動作というのは皆無です。
実際には脊柱起立筋の動作が伴います。
アームカールを効かせる重量でやっている時、脊柱起立筋は鍛えられるほどの負荷は入りません。
やるなら懸垂、デッドリフト 、ブリッジなどです。
例えば、手幅を狭くしたパラレルグリップの懸垂はこんな場面で役立ちます。
登山で1本の鎖が設けられれた斜面を登っている時です。
この時、脇を締めた姿勢で鎖を”補助的”に引きながら登りますよね。
この時、上腕二頭筋(力こぶ)、腕橈骨筋、握力、広背筋を使います。
アームカールは上腕二頭筋を鍛えることはできますが、引く動作の要である広背筋や直接的な握力を鍛えることはできません。
動作は必ず複数の筋肉が連動しています。
それをピンポイントで鍛えるのは実用的観点からはズレています。
ただ1つカール系の動作で実用性があるなと感じるのはハンマーカールです。
先に挙げた鎖場の例のように腕橈骨筋を使う機会は多いのですよ。
でも理想は懸垂をやることですね。
実用性を感じないワークアウト2:リストカール
リストカールは週3くらいで半年ほどやった種目です。
時間が掛かる割にはリターンが少ない種目だなって感じています。
特段、握力が強くなるわけでもありませんし。
リストカールの力が強くなったとしても全身の連動性で力を発揮できなければ限定的な筋出力に過ぎなくなります。
実用的な場面で前腕を使うのは、腕橈骨筋、握力と圧倒的に多いです。
例えば、荷物を握って持ち上げる、スーパーの食材が入った籠を両手で持って歩く、登山などで鎖や梯子をしっかりと掴むなどです。
やはりこれも懸垂が役立ちます。
あるいはタオルをぶら下げてそこにぶら下がって握る力を養うのが利に適っています。
先に挙げた鎖場ですが、こんな場面ではリストカールは役に立ちません。
握る力が大事です。
実用性を感じないワークアウト3:シットアップ
いわゆる腹筋運動ですね。
部活や体育の授業でやらされた経験があるでしょう?
運動習慣もないような教師が部活の顧問になったりすることってありませんでしたか?
無知に等しい人間が、無知な生徒に、無意味な運動をさせているんですから失笑します。
床に寝転がってやるシットアップは何百回やってもクソの役にも立ちません。
100回や200回なんて楽勝にできちゃいます。
理由は限定的な運動で負荷が低いからです。
つまりお腹に掛かる負荷なんて微々たるものだということです。
私自身、感じていること。
腹筋運動をやらなくても腹筋力はつきます。
ちまちまと無意味なシットアップをやるのがバカバカしくなります。時間の無駄です。
腹筋力は、デッドリフト 、オーバーヘッドプレスで養われています。
他にも懸垂や腕立て伏せでも使われます。
ですからハンギングレッグレイズ(ぶら下がって頭上まで足先を90度以上あげる)もお手の物です。
普段やる習慣がなくてもね。
理由は腹筋力が養われているからです。
シットアップをやるならレッグレイズをやった方が遥かに実用性が高いです。レッグレイズは腹筋だけでなく足を上に引き上げる腸腰筋の動作も伴ってきます。
腸腰筋は動作の要を担っています。
ここが弱くなると足が上がらなくなり転倒しやすくなります。
あなたがワークアウトをやる目的は何ですか?
それでは。