単焦点レンズ4本を持ち出して晩秋の上高地界隈と徳沢園を堪能してきました。
(当記事は2018年11月の内容を加筆修正したものです)
上高地には冬季も含め何度も足を運んでいますが、いつも登山や雪上ハイクが目的なのでじっくりと歩く機会がありませんでした。
そういった意味で今回は上高地をやったりと歩くことで新鮮な刺激を得ることができました。
上高地と言えば撮影スポットでもあり、それなりの撮影機材を持ち込んでいる人が多いですね。
特にフルサイズ機で望遠系のレンズを持ち込んでる人が目立つ印象を受けました。
私はと言えば、単焦点レンズを持ち込んでスナップ撮影をしてきました。
持ち込んだ機材はFUJIFILM X-T2+4本の単焦点レンズです。
今回は珍しく広角系よりも望遠系での撮影枚数が多くなりましたね。
いつもの登山なら圧倒的に広角側での撮影が多いんですよ。
もくじ
単焦点(プライム)レンズは12mm、16mm、50mm、90mmでハイキングに行った
私には登山最中の撮影で好んで使う焦点距離があります。
詳細については以前の記事を読んでみてくださいね。
今回は16mm、50mm、90mmをベースの焦点距離とし、必要に応じて12mmの超広角レンズを使うスタンスでハイキングに行ってきました。
今回は大正池から歩き始め、ウエストン碑、自然探勝路から徳沢園にむかいました。
翌日は河童橋経由で岳沢小屋まで散策というゆる〜い感じのハイキングでしたよっ。
それでは、時系列に撮影した写真をご紹介していきましょう。
オールドレンズ「smc M50mm F1.7」で撮影。
ペンタックスのレンズではありますがX-T2にK&Fのマウントアダプター PK-FX をかませて使っています。
マニュアルフォーカスのシビアなピント合わせがOVFより楽なのですよ。。
smc M50mm F1.7で撮影。
遠景を撮影する時はF5.6かF8まで絞っています。
ピント合わせをしっかりやれば、現代版のレンズであるDA16-85mmの50mm側に匹敵、あるいはそれを上回る絵を出します。
解像度とい意味で。
逆光はには弱いです。
FUJINONレンズの最高峰の描写力を誇る「XF90mm F2 R LM WR」で撮影。
同じくFUJINONレンズの最高峰の描写力を誇る「XF16mm F1.4 R WR」で撮影。
接写から広大な風景までオールマイティな場面で使えるレンズです。
XF90mmで最近、導入した妻用の登山専用機「LUMIX GX8」を撮影。
今回の行程で小雨に見舞われることになったのですが、防塵防滴対応のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとの組み合わせで問題なく使うことができました。
GX8は近いうちに雪山でも実戦投入する予定です。
XF16mm F1.4 R WRで梓川とカラマツの紅葉を撮影。
XF16mm F1.4 R WRの利点は接写ができることです。
最短撮影距離は15cm。
ズームレンズじゃここまで近づけません。
XF16mm F1.4 R WRでローアングルからウエストン碑を撮影。
こういうのは真正面から撮っても面白くないですね。
ローアングルこそ広角レンズの出番です。
XF16mm F1.4 R WRで空と落葉した木をフィルムシミュレーション「クラシック・クローム」で撮影してみました。
何の変哲もない定番の写真です。
XF16mm F1.4 R WRで撮影。
このレンズを手にする前、実写してみて楽しい!と感じました。だから今、手元にあります。
smc M50mm F1.7で撮影。
ペンタックスの純正ボディと組み合わせて使えば、ボディ内手ぶれ補正機構の恩恵を受けることができます。
しかし、手ぶれ補正がないX-T2でもしっかりと構えてシャッタースピードを稼げるシーンであればシャープに写りますよ。
上高地の猿は人馴れしているのか、あまり警戒心がありません。
そのためかなり接近して撮影できました。
こういう場面ではXF90mm F2 R LM WRの出番です。
XF90mm F2 R LM WRで絞り開放f/2で撮影。
このレンズの凄い点は、絞り開放から破綻がない絵を出してくることです。
F2から遠景撮影もできちゃうんですな、このレンズは。悩み抜いて選んだ甲斐がありました。
XF90mm F2 R LM WRで明神岳を遠景撮影。
通常はf5.6からf8に絞って撮影しています。
XF90mm F2 R LM WRで明神岳を撮影。
XF16mm F1.4 R WRで撮影。
水溜りのリフレクションをローアングルで狙いました。
小川を渡渉してくる猿。
XF90mm F2 R LM WRで撮影。
この日は徳沢園に泊まりました。
テント泊を好みますが晩秋は別。
盛夏の激混みとは無縁な雰囲気が好きです。
ここからは超広角レンズ「SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS」の登場です。
いつもは星景撮影に使ってますが建物の中を撮影するのにも向いたレンズなのですよ。
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSでスナップ撮影をしてみました。
被写体はLUMIX GX8と単焦点20mm F1.7。
このパンケーキレンズ、コンパクトで写りもいいです。
以前はLUMIX GX7とセットで使っていました。
外の様子です。
SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSで撮影。
折角、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSも持ってきたことだし、星空を撮影しないのは邪道だ!と思い夜空にいレンズを向けてみました。
三脚は持ってきてないのでバルコーニの床にカメラを置き、真上にレンズを向けてシャッターを切りました。
談話室。ここはもはや山小屋ではないですね。
ここでもSAMYANG 12mm F2.0 NCS CSの広角ぶりが役立ちました。
翌日です。
河童橋から徳沢園の途中って北八ヶ岳っぽい雰囲気のある場所がありますね。
今まで気付きませんでした。
単焦点を持って被写体を意識しながら歩いたからこそ気付けたのだと思います。XF90mm F2 R LM WRで撮影。
晩秋って感じですね。
smc M50mm F1.7で撮影。
smc M50mm F1.7で撮影。
河童橋の辺りから撮影するなら50mm(換算75mm)くらいがちょうどいいですね。
山容を迫力ある様子で切り取りつつも全体像をしっかりと伝えたい、そんな時に役立ったのが50mmなんです。
広角レンズだと広過ぎて余計な被写体が入っちゃうし、望遠系だと山容の一部分しか切り取れません。
岳沢小屋へ向かう途中で撮影。
こういう場面でXF90mm F2 R LM WRが役立ちます。
換算137mm(FUJIFILMの場合)ってポートレンズの代表的な画角に取り上げられますが風景でも使えるんですよ。
X-T2とXF90mm F2 R LM WRは防塵防滴に対応しています。
単焦点レンズも小雨で使えるのはいいですね。
ちなみにバッテリグリップも付けていますがこちらも防塵防滴仕様となっております。
岳沢小屋から撮影。
XF90mm F2 R LM WRで切り取りました。
こういう表現は広角レンズだとできないですね。
望遠系のレンズは悪天候時や天気の変わり目に被写体をスポットライト的に狙い打ちするレンズだと解釈しております。
悪天候でも特定部分を狙えば他引き立つんですよね。
XF16mm F1.4 R WRに付け替えて撮影。
すでに雨が止んでいたのでレンズ交換をしました。
またまたレンズをXF90mm F2 R LM WRに付け替えて撮影。
レンズ交換も慣れると手際よく交換できますよ。
交換レンズの持ち運び方ですが、今はクライミング用のチョークバッグに交換レンズを入れてそれをタスキがけにして歩いています。ケースバイケースですが、チョークバッグごとヒップベルトに入れてフロントからぶら下げる時もあります。
再び樹林帯へ戻ります。
マクロ撮影ならペンタックスのD FA100mm Macro F2.8の出番ですが、XF90mm F2 R LM WRでもこのくらいなら撮影できます。
似たような焦点距離でも使用用途は別物です。
森の中って狭いイメージがありますが、私は好んでXF90mm F2 R LM WRを使っていますね。
だってほら、圧縮効果を使って立体感を表現したい被写体が沢山あるんですもん。
河童橋の近くまでやってきました。
ここでもXF90mm F2 R LM WRで山肌を切り取りました。うん、こういうガスガスの天候の時は望遠系が面白い!
被写体を意識して事前に焦点距離を決めて今回のハイキングの臨んだ
今回は、自分がどこのどんなシーンで撮影をするのか?をイメージしてから持っていくべきレンズを選択しました。
それが作例で挙げた以下の焦点距離のレンズです。
超広角レンズ:12mm(換算18mm)
今回は風景や星景撮影が目的ではなく、ただ単に徳沢園の中の様子を撮影しようと考えSAMYANG 12mmを持って行きました。
やはり建物の中の様子を撮影するには明るい超広角レンズが必須です。
Xマウント用の一番明るい超広角レンズと言ったら、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS一択ですね。
お陰で手持ちのスナップ撮影ができました。
広角レンズ:16mm(換算24mm)
ここ1年間で一番使っているレンズです。
XF16mm F1.4 R WRを導入してからは加速するようにこのレンズでの撮影が増えましたね。
今回、想定していたシーンは地面に落葉した葉と山岳景色の全体像です。
結果的には望遠系の方が撮影枚数が多くなり、これまでにない逆転現象が起きました。
しかし、XF16mmで撮影した被写体を見るとやっぱり万能レンズだよなぁと思ってしまうのです。
中望遠レンズ:50mm(換算75mm)
これまでにズームレンズで撮影してきた登山の写真のデータを見返していると、50〜60mmが意外と多いことに気が付きました。
撮影しているシーンを精査していくと、樹林帯から見える山容を狙っていることが多いですね。
そんなわけで、今年の秋からペンタックスのオールドレンズsmc M50mm F1.7を導入してみました。
もし、この画角で違和感なく使いこなせたら「XF50mm F2 R WR」や「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」の導入も見据えています。
アウトドアフィールドで撮影するなら防塵防滴のレンズの方が何かと便利ですからね。
望遠寄りの中望遠レンズ:90mm(換算137mm:FUJIFILMの場合)
私はあまり苦手意識がありませんが、人によっては、風景撮影では使い難い画角かもしれません。
しかし、XF90mm F2 R LM WRは絞り開放f/2から解像度の高い絵を叩き出してきます。
f/2からガンガン撮影していけるので、風景の中にあるオブジェを立体感のある被写体として表現したい時に使うレンズだと捉えれば、山でも積極的に使うのが楽しいレンズです。
ちなみにすべてのレンズに保護フィルターをつけて歩いています。
実は今回の散策途中でXF90mmをつけたカメラごと地面に落下をさせてしまうというハプニングがありました。
幸いにも柔らかい土の上に落下したので無傷で済んだのですが、フィルターは精神衛生上、必須のアイテムですね。
保護フィルターは揃えておいて本当に良かったです。(^_^)
以上、今回は単焦点レンズで楽しんで来たよという趣旨のお話を書きましたが、あなたなら、いつ、どこの、どんなシチュエーションで、どの焦点距離の、どのレンズを使いますか?
それでは。